【資金調達用語をわかりやすく解説】ファクタリングとは?

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ファクタリングとは?

ファクタリング

はじめに

当ページでは、昨今注目されている資金調達方法であるファクタリングについて解説しています。

ファクタリングは、金融機関からの「借入」による資金調達ではありません。

ファクタリングとは、あなたの会社の「売掛債権」をファクタリング会社(ファクタリングを専門としている金融会社)に売却して、資金を調達する方法を言います。

実は、このファクタリングによる資金調達は、経済産業省も昔から推進している制度なのです。

なぜこれまで普及してこなかったのでしょうか?

地域の金融機関が行う貸付の約9割は、担保として不動産を設定しているとの統計が出ています。

ですが、今はこの流れが代わってきています。不動産の他、動産や売掛金も担保として認めようではないか。

不動産を持っていない中小企業にも、売掛金や動産などを正当に評価することによって積極的に融資を行うべきではないか。という流れになってきているのです。

この流れの中で、徐々にこのファクタリングに依る資金調達も普及してきました。

資金繰りの改善に大きく寄与してくれるファクタリングは、困ったときの強い味方です。中小企業の経営者であるあなたには是非とも知っておいてほしい制度です。

それでは、見ていきましょう。

目次(もくじ)

  1. 黒字倒産とは?代金を払ってくれない?
  2. でも、支払いは待ってくれない?
  3. 注目されるファクタリング
  4. 無担保・無保証・赤字決算でもOKなのがファクタリング!
  5. ファクタリングビジネスはなぜ成立するのか
    |-2社間取引とは?
    |-3社間取引とは?
    |-償還請求権とは?
    |-急いでいても、契約内容をしっかり確認、納得してから契約しましょう。
  6. ファクタリングのメリット・デメリット
    |-メリット
    |-デメリット
  7. ファクタリングもいくつかの種類がある。
    |-(1)保証ファクタリング
    |-(2)買取ファクタリング
    |-(3)国際ファクタリング
  8. 欧米でのファクタリング活用の実例
    |-ファクタリングのファクターは「仲介人」という意味
    |-現在の形になったのは20世紀から
  9. まとめ

1.黒字倒産とは?代金を払ってくれない?

中小企業の経営者が毎日何を考えているかといえば、やはり「資金繰り」です。

「売上が増えていれば、会社は安泰」という考えをする人もいますが、会社の税務財務はそう単純ではありません。

「黒字倒産」という言葉をお聞きになったことがあると思います。

黒字とは、言わずもがな「収益-支出」がプラスになることを言います。

黒字だと会社にお金(収益)が残るため、倒産するとは通常は考えられません。

では何故、黒字倒産という言葉があるのでしょうか。また、実際に黒字なのに倒産してしまうケースが後を絶たないのはなぜでしょうか?

これは、収入と支出にタイムラグ(時間差)があることに起因しています。

ビジネスをしていればお分かりになると思いますが、売上と同時に対価がすぐに支払われるとは限りません。掛取引の場合、早くても翌月末、長い場合は翌々月末に支払いが行われます。

この支払いを受ける権利を債権、会計用語では売掛金といいます。

売掛金はお金を受け取る方が使う言葉で、一方、お金を支払う方は「買掛金」という言葉を使います。

この売掛金、たいていの場合は何か月後の入金が約束されている(書面などに明示されている)ことが多いのですが、取引先の急な業績悪化などによって、支払いが遅延したり、最悪の場合は売掛金の回収ができないことも十分に考えられるのです。

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2.でも、支払いは待ってくれない?

売掛金が回収できない場合、それを理由に毎月の決まった経費の支払いを待ってもらうことはできるのでしょうか?

できませんね。

オフィスの家賃、従業員の給料、外注費など、「売掛金が回収できなかったのなら、こちらも待ってあげるよ」と言ってくれるでしょうか?

残念ながら、そんな取引先ひとつもありません。

売上などの収益は遅延性がある一方で、支出は毎月決まったとおりに会社から出ていく。

そんな状態が続くと徐々に会社の首は回らなくなってきます。

最終的に資金繰りが出来なくなる。黒字倒産の憂き目に遭うか回避できるかは、「売掛金」を効率よく回収できるか否かに掛かっているのです。

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3.注目されるファクタリング

ここで、資金繰りに悩む中小企業の強い味方として、現在、注目されているのが「ファクタリング」です。

ファクタリングとは、あなたが所有している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社が買い取り、支払義務のある会社に替わって代金を支払う制度です。

ファクタリング会社は売掛金を買い取った後に、支払い義務を持つ会社から売掛金を回収することになります。

このファクタリング、実は欧米では中小企業の当たり前の資金調達方法として定着しています。

19世紀末から20世紀初頭にアメリカで急成長・拡大したファクタリングも、日本ではそれほど浸透せずに現在に至ります。

その原因は主だったものとしては、「手形取引」の発展があげられます。

ついこの間まで、会社会計の代表格である簿記の試験で、手形に間する出題がなされていたくらいです。

1990年代のバブル崩壊後に手形取引の件数は著しく減少し、代表格のなくなった現金化、資金調達の方法として、ファクタリングが次第に注目されています。

詳しくは経済産業省発行のレポートなどもご覧頂ければと思いますが、ファクタリングの実績もここ20年で急速な伸びを見せているようです。1995年で約1,600億、1999年で約4,500億円、2003年で約8,000億円。実に5倍も市場が拡大していきいるのです(参考:経済産業省レポート「売掛再建流動化」)。

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4.無担保・無保証・赤字決算でもOKなのがファクタリング!

ファクタリングはあくまでも売掛金の売買による資金調達方法であり、金融機関からの借入ではありません。無担保・無保証での資金調達が可能で、赤字企業でも利用できるのがその特徴です。

金融機関のような厳しい与信審査もありません。

逆に、ファクタリングの活用によって売掛金が無くなり、資金繰りは改善しますので、金融機関の信用度もアップします。

日本政策金融公庫や銀行などのつなぎ融資も活用できますが、融資実行までに時間がかかります。その点、ファクタリングによる資金調達は最短数日での実行も可能です。

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5.ファクタリングビジネスはなぜ成立するのか

ファクタリング会社は売掛金を買い取るための手数料を収入源としています。

各ファクタリング会社によって、また、ファクタリング形式によって、手数料は大きく異なります。

大体、回収債権額の約3%~30%の間で手数料を設定しているところが多いようです。

なぜ手数料に幅があるかと言うと、その債権回収方法(2社間ファクタリングか3社間ファクタリング)によって、ファクタリング会社が受けるリスクの内容がまったく異なるからです。

2社間取引とは?

2社間ファクタリングは、売掛先を介さずに、あなたの会社とファクタリング会社の2社間のみで売掛金の売買を行います。

2社間取引の場合、売掛金の回収自体は、あなたの会社が行います。ファクタリング会社は与信審査を行い、あなたの会社と売掛先に問題がないと判断すれば、売掛金を買取り、手数料を差し引いた金額をあなたの会社に支払います。

あなたの会社は、売掛先には知られることなく売掛金を売却して早期に資金を回収できる一方で、ファクタリング会社としては、未回収リスクが高くなりますので、その分、手数料が高くなります。10~30%ほどの手数料を取る会社が多いようです。

3社間取引とは?

3社間ファクタリングは、あなたの会社とファクタリング会社と売掛先を交えて3社での取引になります。

3社間取引は、売掛金の売買を「債権譲渡」という方法を用いて行います。

債権の譲渡を有効に成立させるには、売掛先への通知と承諾が必要になります。

ですから、当然ですが、あなたの会社がファクタリングを利用していることは売掛先へ知られることになります。

3社間取引の場合は、売掛金ごとファクタリング会社に譲渡して、後のやり取りはファクタリング会社と売掛先で行うことになります。

ファクタリング会社としては、債権を自ら回収ができるので、未回収リスクは減ります。その分、手数料は安く設定しています。手数料は5%~15%ほどに設定している会社が多いようです。

償還請求権とは?

ファクタリングには、売掛先が倒産した場合の危険負担の問題が残ります。

償還請求権は、ファクタリング契約を結んだ後に、売掛金未回収の時点で売掛先が倒産した場合、ファクタリング会社があなたの会社に未回収代金を請求できる権利です。

償還請求権が付いているファクタリング契約の場合、売掛先の倒産等で売掛金を回収できなかった場合、あなたの会社がその売掛金の未回収分をファクタリング会社に支払わなければなりません。

一方、償還請求権がついていない場合は、仮に売掛先が倒産してもあなたの会社は支払いを免れます。

償還請求権がついている場合は、ファクタリング会社の危険負担の割合は減りますので、手数料は安くなります。逆に償還請求権がついていない場合は、手数料は高くなります。

急いでいても、契約内容をしっかり確認、納得してから契約しましょう。

いずれの方法による場合であっても、手数料は決して安くはありません。

2社間であっても、3社間であっても、また、償還請求権がついていようがいまいが、その内容は各ファクタリング会社によって様々です。

契約内容(ファクタリング手数料はいくらか、ファクタリング手数料以外に発生する費用にはどんなものがあるか、償還請求権はついているのか、債権譲渡登記はするのか、支払いまでの期間はどのくらいかなど)をしっかりと確認し、納得した上で契約を行うようにしましょう。

なお、ファクタリングの手数料については、こちらのページにも詳しい解説を掲載していますので、ご覧ください(参考:ファクタリングの手数料について

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6.ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングのメリット・デメリットもここで確認しておきましょう。メリットも多いファクタリングですが、当然デメリットもあります。

まず、メリットは次のとおりです。

メリット
  • 資金繰り・キャッシュフローが改善する
    滞留している売掛金を回収する期間が短くなりますので、キャッシュフローが改善されます。
  • 未回収リスクを軽減できる
    買取ファクタリングの場合、債権譲渡を行いますので、取引先の倒産などによる売掛金の未回収・貸倒れリスクがなくなります。手形割引の場合は、取引先が不渡りを出せばそのリスクは自分がかぶることになり、返済をしなければなりませんが、ファクタリングはそうではありません。ファクタリングは、売掛金自体を売ってしまいますので、取引先が倒産してもその損害を蒙るのはファクタリング会社です。
    (関連記事:手形割引と「ファクタリング」の違いって?)。
  • オフバランス化が図れる
    ファクタリングにより調達した資金で有利子負債を返済した場合、資産の圧縮が可能になります。貸借対照表がシンプルになり、金融機関の与信評価もアップします。
  • 売掛金管理コスト・回収コストがなくなる
    前述の通り、ファクタリングは売掛金自体を買い取ってもらいますので、その管理や回収するためのコストが軽減されます。もし、取引先が急な業績悪化で支払い遅延を起こしたり、倒産したしまった場合、自分で回収を行うのは非常に難しく、手間も掛かります。ファクタリングを利用すれば、このリスクと手間が一切なくなります。
デメリット

次に、デメリットについても見てみましょう。

  • 公庫や民間銀行などに比べると手数料が高い
    融資の場合はそもそも手数料ではなく利息が発生します。公庫の場合は平均で2~3%、民間銀行でもプロパーの場合は2~3%、ビジネスローンやノンバンクでも5~18%ほどです。
    ファクタリングの場合は、2社間か3社間取引かによって手数料は異なりますが、最大で売掛債権金額の30%にもなります。箇所でも記載しましたが、買取ファクタリングの場合、倒産リスクはファクタリング会社が負います。その為、支払手数料が高額になります。
  • 3社間ファクタリングの場合、契約に時間がかかる
    後述する3社間ファクタリングの場合、ファクタリング会社への支払手数料は安くなりますが、債務者である取引先とファクタリング会社との間で契約を結んでもらわなければなりません。ファクタリング会社に債権を譲渡しますので、当然、売掛先にはファクタリングを活用することが知られることになります。資金繰りが苦しいことを売掛先はもとより周辺の取引先にも知られてしまう可能性があります。

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7.ファクタリングもいくつかの種類がある。

一概に「ファクタリング」といっても、細かくはいくつかの種類があります。

(1) 保証ファクタリング

もともとは国土交通省が創設した「下請債権保全支援事業」にもとづき、取引先からの債権をファクタリング会社が保証するサービスです。建設業界に多い形態です。

(2) 買取ファクタリング

本記事でお伝えした一般的なイメージのファクタリングスキームです。(1)より手数料が割高に設定さされています。バランスシートのスリム化を実現することができます。一般的な会社で最もよく利用されており、介護・医療業界に特化したファクタリング会社も出てきています。

(3) 国際ファクタリング

会社における債権と債務の関係は、国内だけにとどまるばかりではありません。債務者が海外企業、という場合も数多く発生します。その場合は、海外企業とのあいだに仲介力を持つファクタリング会社があいだに入り、ファクタリング案件をまとめる役割を担います。

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8.欧米でのファクタリング活用の実例

ファクタリングは日本でも浸透してきたものの、まだ資金調達法としては馴染みが少ない取り引きです。

しかし欧米ではファクタリングの歴史が古いこともあり、当たり前のように行われています。

ファクタリングのファクターは「仲介人」という意味

ファクタリングの歴史は古く、16世紀にイギリスで行われるようになったといわれています。

主に、アメリカとの貿易に使われました。当時、イギリスから植民地のアメリカへと移住した人たちは、前借りした渡航費の返済や、植民地で必要な物資を購入するためにイギリスと貿易を行っていました。

このときに利用したのがイギリスのファクター(仲介人)です。

移住者はファクターにアメリカで得た毛皮や材木などをイギリスで販売する権利を与える代わりに、アメリカで不足している小麦粉や布、鉄器などを提供してもらう契約を行い代理人であるファクターを通じて商売を行っていました。

これが発生当時のファクタリングの、実例です。その頃イギリスでは毛織物産業がピークを迎えており、盛んに貿易が行われいたので、高い重要がありました。

その後、時代の流れとともに、少しずつファクターの役割が変わってきます。

単なる仲介業者として販売活動を行うだけでなく、製造業者に代金の前払いをするための信用調査も請け負うようになりました。

さらに19世紀になると、新しいファクタリングが流行するようになります。

ファクターが販売代理店だけでなく、売掛債権を担保に代金の前渡しを行うようになったのです。

現在の形になったのは20世紀から

20世紀になるとイギリスからアメリカへの繊維輸出が衰退したため、ファクターは販売代理店としての仕事を行わなくなり、資金提供と信用調査だけを行う現在のファクタリング取り引きへと変わりました。

それ以来現在に至るまで、一般的な資金調達手段として多くの中小企業が利用しています。

取引方法は日本と同じで、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金を調達するというものです。

また、信用調査機関としての役割もありますから、ファクタリング会社が承認した取引先は安全度が高いという判断材料にもなります。

このため日本の会社が初めてアメリカに進出するときに、アメリカでの販売代金回収を安全に行うために、ファクタリングを用する日本企業も少なくありません。

このように古くは16世紀から、欧米ではさまざまな形でファクタリングが活用され、20世紀に入って現在の形に落ち着きました。

古い歴史があるためファクタリングに対して馴染みが深い取り引きです。

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まとめ

以上、いかがでしたでしょうか。

まだまだ日本では聞きなれない言葉であるファクタリング。日本の法人の大半を占める中小企業の資金繰りがこのファクタリングの活用によって楽になると、日本経済全体の活力向上にも役立ってくれるのではないでしょうか。

ただ、ファクタリングは通常の融資に比べて手数料が高いので、この点については慎重に検討する必要があるでしょう。

支払いまでに時間があるのであれば、公庫などの公的機関からのつなぎ融資をまずは考え、それでもだめな場合はファクタリグの活用を考えるとよいかと思います。

ただし、急を要する場合は倒産の憂き目に遭う前に、素早い対応が求められますので、迷わずファクタリングを利用しましょう。

資金繰り改善による倒産の回避や業績向上が期待できるファクタリングには、今後も注目していきたいものですね。

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