【どこよりも分かりやすく解説】一般貨物自動車運送事業許可申請マニュアル

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一般貨物自動車運送事業許可申請

目次(もくじ)

一般貨物自動車運送事業を行うには

運送業をやりたいとき

お客様から荷物を預かり、自動車を利用してその荷物を運ぶ事業(いわゆる報酬をもらい、仕事として行うこと)を行うときは、国土交通大臣の許可が必要です。

「他人の需要に応じ、有償で自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業」を一般貨物自動車運送事業といい、国土交通大臣の許可なく営業した者は1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらが併科されます。

緑ナンバーのついているトラックなどは、この一般貨物に該当します。

貨物運送事業には、一般貨物自動車運送事業の他に、「特定貨物自動車運送事業」(特定の者の需要に応じ有償で自動車を使用して貨物を運送する事業)と「貨物軽自動車運送事業」(他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る)を使用して貨物を運送する事業)があります。

一般貨物自動車運送事業の審査基準の要点

一般貨物自動車運送事業の許可を受けるためには、細かい要件をクリアしなければいけないので注意が必要です。

お客様からお金をいただき業として行う以上、国が定めた条件を満たさなければならず、その条件が厳しければ厳しいほど、許可を受けることによって信頼も生まれてきますね。

「厳しい条件を満たし、きちんと許可を取った業者だ」と胸を張って対外的にアピール、営業ができるということです。

【審査基準の要点】

『人』
  • 運行管理者
  • 整備管理者

いずれも、1名以上いること。試験合格が必要(そんなに難しいものではない)。

『施設』
  • 休憩、睡眠施設(一人2.5平米以上)※営業所から2キロ以内
  • 営業所 (10平米以上が望ましい)
  • 車庫 ※営業所から直線距離で5キロ以内

その他用件として、全面道路幅員 6.5m以上。

『物』
  • 車両5両以上(大きさは関係なし)
『金』
  • 登録免許税 12万円
  • 自己資金 2分のⅠ以上
  • 資金調達方法を申請書に記載する必要あり

これらの要件を次から詳しく見ていきましょう。

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審査基準その1『人』の要件

運送事業を行う上で最大のポイントとなるのが「人」です。

『運行管理者』と『整備管理者』が1名以上いなければなりません。

運行管理者

運行管理者は事業用自動車の安全運行を管理するスペシャリストとしての立場で業務を行います。

具体的な業務は、運転者の乗務割りの作成、休憩・睡眠施設の保守管理、運転者の指導監督、点呼による運転者の疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示等、事業用自動車の運行の安全を確保するための業務などです。

運行管理者として選任されるためには、自動車運送事業の種別の応じた種類の運行管理者資格者証を取得しなければなりません。

運行管理者資格者証を取得するための方法は次の2つです。

1.運行管理者試験に合格すること

受験資格は、「事業用自動車の運行の管理に関し1年以上の実務経験を有する者」か、「実務の経験に代わる講習を終了した者(実務の経験に変わる講習として自動車事故対策機構が行う基礎講習が認定されている)」のいずれかに該当することです。

「旅客」と「貨物」の2種類があり、道路運送法、貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、労働基準法などの法令、その他には運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力について出題されます。

試験は年2回、8月と3月に実施されています。

試験に関することは、運行管理者試験センター(http://www.unkan.or.jp/)で詳細を御覧ください。

基礎講習に関することは、自動車事故対策機構(http://www.nasva.go.jp/)で詳細をご覧ください。

2.事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について国土交通省令で定める一定の実務の経験その他の要件を備えていること

具体的には、運行管理に関して5年以上の経験を有し、かつ、その間に国交省大臣が認定する運行管理研修を5回以上受講しているという要件を満たす者を言います。

整備管理者って?

事業用自動車を使用する自動車の使用者は、その使用の本拠ごとに、一定の要件を備える「整備管理者」を選任して必要な権限を付与し、自動車の点検・整備及び自動車車庫の管理に関する事項を処理させることとなっています。

整備管理者として選任するためには次のいずれかの資格要件が必要です。

  1. 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関する2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸局長が研修を終了した者であること
  2. 一級、二級または三級の自動車整備士技能検定に合格した者であること

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審査基準その2『施設』の要件

1.営業所

  • 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと
  • 適切な規模を有すること
  • 使用権原を有することの裏付けがあること

2.最低車両台数

  • 営業所ごとに配置する事業用自動車の数は種別ごとに5両以上とすること

3.車庫

  • 原則として営業所に併設されていること(ただし併設させることが困難な場合は、営業所から直線で5km、政令指定都市については10km以内であること)
  • 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと
  • 出入口の前面道路については原則として副因証明により車両制限令に適合すること
  • 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ計画車両数すべてを収容できること
  • 使用権原を有することの裏付けがあること
  • 用地は車庫以外の部分と明確に区分されていること

4.休憩・睡眠施設

  • 原則として、営業所又は車庫に併設されていること
  • 乗務員が有効に利用することができる適切な施設であり、乗務員に睡眠を与える場合には、少なくとも同時睡眠者一人当たり2.5㎡以上の広さを有すること
  • 使用権原を有することの裏付けがあること
  • 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないこと

5.事業用自動車

  • 計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に対し適切であること
  • 使用権原を有することの裏付けがあること

土地や建物や車両などは、運送するための手段として必要不可欠なものです。

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審査基準その3『金・資金』の要件

『金』の要件とは、資金に関することです。

どんな事業にも同じことが言えますがお金は安定的に経営を行うためのものであり、だからこそ資金計画が大事になってきます。

資金計画等

  • 所要資金の見積もりが適切なものであること。
  • 所要資金の調達に十分な裏付けがあること、自己資金が所要資金の2分の1に相当する金額以上であること資金計画が適切であること。
  • 所要資金の見積もりは次の通り。
【土地・建物費】
  • 購入費又は賃借料の1カ年分
【車両費】
  • 購入の倍は、取得価格(割賦未払金を含む全額)
  • リースの場合は、1カ年分のリース料
【備品什器・機械器具費】
  • 取得価格(未払金を含む)
【自動車税・自動車重量税】
  • 1カ年分(車検の有効期間が2年のものは重量税2カ年分)
【自動車取得税】
  • 全額
【登録免許税】
  • 全額
【保険料(自賠責保険・任意保険)】
  • 1カ年分(車検の有効期間が2年のものは自賠責2カ年分)
【人件費・役員報酬・手当・賞与・法定福利費・健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・労災保険料・厚生福利費】
  • 2ヶ月分
【燃料費・油脂費・修繕費】
  • 各々2ヶ月分
【その他(水道・光熱費・通信費)】
  • 2ヶ月分
【創業費】
  • 全額

損害賠償能力を有していること

  • 自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、一般自動車保険(任意保険)の締結等十分な損害賠償能力を有すること
  • 積載危険物等を取り扱う運送は、上記のほか、当該運送に対応する適切な保険に加入する計画等十分な損害賠償能力を有すること

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一般貨物自動車運送事業許可申請の添付書類と許可取得後の手続き

申請添付書類

  1. 事業用自動車の運行管理の体制を記載した書類
  2. 運行管理者及び整備管理者に関する書類
    • 運行管理者資格者証明書
    • 整備管理者資格者証明書又は在職証明等
  3. 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載した書類
  4. 事業のように供する施設の概要及び付近の状況を記載した書類
    • 施設の見取図、平面(求積)図
    • 都市計画法等関係法令に抵触しないことの書面(宣誓書)
    • 施設の使用権原を証する書面
    • 車庫前面道路の道路幅員証明書(前面が国道の場合は不要)
    • 計画する事業用自動車の使用権原を証する書面
  5. 利用する事業者との運送に関する契約書の写し(利用運送をする場合)
  6. 利用運送事業に係る事業の用に供する施設に関する書類
  7. 既存法人は次の書類
    • 定款又は寄付行為及び登記簿謄本
    • 最近の事業年度における貸借対照表
    • 役員又は社員の名簿及び履歴書
  8. 新たに法人を設立しようとするものにあっては次の書類
    • 定款又は寄付行為の謄本
    • 発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書
    • 設立しようとする法人が株式会社である場合にあっては、株式の引受け又は出資の状況及び見込みを記載した書類
  9. 個人にあっては次の書類
    • 資産目録
    • 戸籍抄本
    • 履歴書
  10. 法5条(欠格事由)各号のいずれにも該当しない旨を証する書類及び道路運送法又は貨物自動車運送事業法違反により、自動車その他の輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限の処分を受けた者でない旨を証する書類(宣誓書)

運送事業開始後の手続き

一般貨物自動車運送事業を行おうとするものは、運輸支局へ申請書を提出し、国土交通大臣または運輸支局で審査され、許可されれば営業が可能になり、事業開始となります。

通常、事業開始後6ヶ月以内に巡回指導があります。このとき申請内容と異なる場合や備え付けなければならない法廷の書類に不備がある場合は、行政処分の対象となりますので注意しましょう。

許可がおりると登録免許税として12万円かかります。

運送事業開始後の手続き

前年度の事業実績の報告が義務づけられています。(熊本の場合は4月10日まで)

また、決算から100日以内に事業報告(営業報告)が義務づけられています。以上の二つが毎年必要な手続きになります。

様々な帳票類があり、運行の旅に毎日つける必要があるものあります。運送業を営む上で帳票類の整備が義務づけられているからです。巡回指導時に確認されるものです。

その他

変更事項があればその都度報告。

「運送約款を変更するとき」や「運送事業を譲渡し及び譲り受けをしようとするとき」は、事業計画変更認可申請を行います。

「事業計画(営業所の名称等)を変更するとき」や「運賃又は料金を設定・変更しようとするとき」は事業計画変更届出を行います。

ほかにも、変更事項があったときは、その都度速やかに手続きを行いましょう。

標準貨物自動車運送約款

トラブルを未然に防ぐためにも、国土交通省が告示する標準貨物自動車運送約款を使うことをお勧めします。

約款とは特定の契約内容を詳しく説明したもので取引の基本的なルールが記載されています。

一般的に貨物輸送で採用されているのがこの「標準貨物自動車運送約款」です。

こちらの国土交通省九州運輸局のページで各種申請書は手に入ります。

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