会社と取締役の関係、委任契約などについて解説しています。

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会社と取締役の関係は?

会社と取締役の関係

株式会社と取締役との関係は、会社法330条によって、民法643条から656条に規定されている「委任」に関する規定に従うこととされています。

委任の効力

当事者の一方(株式会社)が法律行為をすることを相手方(取締役)に委託し、相手方がこれを承諾することによってその効力が生じます。

所有と経営の分離と言われる所以でもあります。オーナーが、経営者に会社の経営を委託し、受託者である経営者は、会社の経営を行います。

受任者(取締役)の注意義務

受任者である取締役は、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務※を負います。

※善良な管理者の注意(善管注意義務)とは、「委任を受けた人の職業、地位、能力等において、社会通念上、要求される注意義務」のことを言います。

取締役としての立場から一般的にはらうだろうという注意を持って、会社経営に取り組まなければならないということです。

会社の運営などに対してきちんとチェックを行い、もし経営危機に直面したら何らかの対策を講じなければならず、それを怠った場合は善管注意義務を怠ったということになります。

取締役と従業員とでは立場が違います。取締役は経営者としての善管注意義務を負います。

受任者(取締役)の報告義務

受任者である取締役は、委任者である会社の請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を報告し、委任が終了した後でも、遅滞無くその経過及び結果を報告しなければなりません。

これも当然の規定ですね。経営を任されている取締役は、会社に対して報告義務を負います。

受任者(取締役)の忠実義務

受任者である取締役は、その職務を会社のために忠実に行う義務があります。

会社のコンプライアンスや方針に従って、会社に対して忠実に仕事をしなければならないということです。

会社法は忠実義務として定められていますが、民法に定められている善管注意義務と同質であるともいわれています。

受任者(取締役)の競業避止義務

受任者である取締役が会社が行っている事業と競合する事業を行う場合は、会社の承認を受けなければなりません。

例えば、取締役が別の会社の取締役となって、会社の事業と競合する事業を行う場合などが該当します。このような行為は、会社の利益を害する危険が大きく、その取引について重要な事実を開示して、会社の承認を受ける必要があります。

取締役としての地位を利用して、自己や第三者の利益をはかってはならないという、競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)を負います。

受任者(取締役)の利益相反取引回避義務

受任者である取締役が自己や第三者のために会社と取引を行うことを「利益相反取引」といいます。

取締役という立場から、自分や第三者にとって有利な条件で取引を行うことができるため、会社と取締役の利益が衝突します。こうした取引を避けるために、取締役が自己や第三者のために会社と取引をするには、会社の承認を受けなければならないと規定されています。

例えば、取締役が持っている車を会社に売る場合などが利益相反取引に該当します。車の価値を高く見積もって会社に売却すると、取締役自身は有利な取引ですが、会社にとっては不利になります。

このような利益相反取引を行うには事前に重要な事実を開示し、その承認を受けなければならず、取引に制限が課されています。

委任関係の解除

委任は、各当事者(株式会社及び取締役)がいつでもその解除をすることができます。

実務上は、辞任届けを会社に提出し、会社が法務局へ役員変更登記を行います。変更登記を行うことで始めて登記簿から辞任した取締役の記載が削除されます。

なお、やむを得ない事由もないのに、相手方の不利な時期に委任契約の解除をしたときは、その相手方は損害賠償の請求をすることができます。役員任期を最長の10年にしており、任期途中にも関わらず、会社側が一方的に委任契約を解除した場合は、残任期間の役員報酬を請求される可能性がありますので、注意が必要です。

委任契約の終了

次に掲げる事由が発生したときは、委任関係は終了します。

  1. 委任者(株式会社)または受任者(取締役)の死亡
  2. 委任者(株式会社)または受任者(取締役)が破産手続き開始の決定を受けたこと
  3. 受任者(取締役)が後見開始の審判を受けたこと

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