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中小企業・小規模企業白書の2017年度版に「起業環境・起業支援施策の国際比較」という非常に興味深いデータが掲載されていました。
世界銀行「Doing Business2017」からの抜粋です(中小企業・小規模企業白書の実際のページはこちらです)。
これを見て正直驚きました・・・。
日本の開業コストが、群を抜いて高い!!
なんと、イギリスの75倍!!
アメリカの約7倍!
【中小企業白書2017年度版110Pより】
言わずもがな、日本は起業率も諸外国に比べると抜きん出て数字が低いです。
開業コストにこれだけの差がありますから、当然といえば当然。。
起業のしやすさランキングも89位。低い。
ちなみにイギリス16位。アメリカ51位。フランス27位。ドイツが114位。
ドイツが意外に低いなという印象です。
一方で、起業後の「企業生存率」はと言いますと、日本が断トツの1位!素晴らしいですね。
【中小企業白書2017年度版113Pより】
2年生存率が日本が91.5%。次いでイギリスが75.1%。アメリカ、フランス、ドイツと続きます。5年生存率は日本81.7%。次いでアメリカが48.9%、フランス、イギリス、ドイツ。日本が他国を突き放しており、他はどこも団子状態です。
堅実な国民性ゆえでしょうか。さきほどの「開業コストが高い」という結果と、何らかの相関関係があるかもしれませんね。
諸外国に比べて、開業にお金を掛けていますから、そう簡単に諦めるわけにも、廃業するわけにもいきませんよね^^;
「開業コストが高い=長い時間をかけてお金(自己資金)を貯めなければならない」ということになります。
一概に準備期間が長ければ良いということにはなりませんが、このデータだけを見れば、「準備期間が長いほうが廃業率は低く、企業生存率も高い」ということが言えます。
日本は開業コストが高く、リスクを考えるが故に、きっちり準備を行う(自己資金を貯める)。
その裏返しで廃業率は低い。
素晴らしいではないですか。
日本人は日本人なりの起業の仕方、タイミングがあっていいんじゃないかと思います。
ただ、国の施策でいえば、起業率の高いイギリスやフランスが充実していそうですね。
スタートアップローン(メンタリング支援付き融資)、信用保証制度の充実、創業間もない企業への税制優遇措置等を通して国が全面的に起業をバックアップしているのでしょう。
イギリスなんかでは5~11歳のこどもに実際に5ポンドを支給して1ヶ月の間、事業経営をさせるといった取り組みも行われているようです。
子供のうちからビジネスさせることが良いか悪いかは別として、幼少期にビジネスセンスを実践的に学ばせるってすごいですよね。
話はそれましたが、日本は開業にかかる費用が高い。ではどうすればよいか。自己資金をコツコツ貯めるのは当然として、足りない分はどうするか。
日本にもイギリス同様国が起業を推進するための政府系金融機関が用意されています。日本政策金融公庫という公的機関になります。
民間の銀行は信用が無い新規開業者にはお金を貸しません。
開業費用が高い日本において、全てを自己資金で賄うことは難しいでしょう。それをカバーしてくれるのが日本政策金融公庫です。
新規開業者向けに非常に良い条件で貸付を行っています。長期貸付・低金利でかつ、無担無保証という制度もあります。
開業して成功するには準備も必要ですが、それと同等あるいはそれ以上に大事になってくるのが起業の「タイミング」です。
《参考》「起業して成功する人・失敗する人の特徴」&「賢い起業のタイミング」
自己資金が足りないからといって、起業に適した絶好のタイミングを逃せば、その事業は十中八九失敗します。
欧米諸国同様に、公的期間がお金を貸してくれる制度がこの日本でもありますので、起業を考えている方は、積極的に利用してみましょう。
《参考》日本政策金融公庫から300万円を無担保・無保証で借りられるのか?自ら試してみました
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