経営承継円滑化法に基づく遺留分に関する民法の特例とは?

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経営承継円滑化法に基づく遺留分に関する民法の特例とは?

事業承継対策として、生前に社長から後継者に対して株式を贈与しておく事はよくあります。

しかしながら、相続人が複数いた場合には相続発生時に起こりうるリスクがあります。

後継者は生前に株式を贈与されていますが、経営者の死後、後継者以外の相続人が受け取るべき財産が「遺留分」を満たす財産でなければ、せっかく後継者が贈与された株式を手放さなければいけない事になりかねません。

「遺留分」とは、相続人である妻や子、両親が最低限相続できる財産のことをいいます。

もし相続人が遺留分以下の財産しか貰えない場合、遺留分減殺請求をされると後継者は贈与された株式を渡すことになる等、株式が分散することになり、事業承継の意味がなくなります。

そこで、一定の要件を満たした場合、生前贈与された株式等を相続財産(遺留分算定基礎財産)から除外することができる制度ができました。

この制度を「遺留分に関する民法の特例」といいます。

遺留分を計算するための基礎財産には、生前に贈与された財産も含まれますので、この基礎財産から贈与された株式等を除外することで円滑な事業承継を行いましょうというのがこの制度です。

遺留分に関する民法の特例を利用するための要件

(1)会社の要件

  • 中小企業であること(小売業であれば資本金5000万円以下、従業員50人以下)
  • 3年以上継続して事業を行っていること
  • 非上場の会社であること

(2)現経営者の要件(贈与する側)

  • 代表者または代表者であった者であること
  • 推定相続人(将来相続人になる人)のうち少なくとも一人に対して株式を贈与したこと

(3)後継者の要件(贈与される側)

  • 代表者の推定相続人であること
  • 代表者から贈与により株式を取得していること
  • 贈与により会社の議決権の過半数を保有していること
  • 推定相続人全員の合意が得られること
  • 合意をした日に、後継者は代表者になっていること

遺留分に関する民法の特例の手続きの流れ

要件を満たす場合、後継者が合意書面を作成して経済産業大臣に対して申請を行い、その確認後、家庭裁判所の審判を受けることで、効力が生じます。

  1. 合意書の作成:推定相続人全員の合意
  2. 経済産業大臣に申請:推定相続人全員の合意を得た日から1ヶ月以内
  3. 家庭裁判所への申立て:経済産業大臣の確認を受けた日から1ヶ月以内
  4. 家庭裁判所の許可

遺留分に関する民法の特例:除外合意と固定合意

遺留分に関して後継者と推定相続人全員で、除外合意と固定合意の双方又はどちらか一方の合意をすることが必要です。

(1)除外合意

経営者から贈与された株式を遺留分の対象から除外することができる制度。

後継者以外の相続人からは後継者が贈与された「株式」の遺留分を請求できなくなることにより、株式の分散を防止することができます。

(2)固定合意

経営者から贈与された株式の価値を予め「相続人が合意した時の評価額」に固定することができる制度。

遺留分の算定時期は相続発生時なので、もし贈与されたときよりも相続時に株価が上がっていた場合、遺留分が増えることになるので、予め評価額を固定することで遺留分の増加を防ぐことができます。

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