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【目次(もくじ)】
古くは江戸時代、例えば寿司を手早く食べられるようにと屋台で提供していたという記録が残っているほど、屋台は昔から日本の文化に根付いています。
ファーストフードのは走りとも言われるだけあり、早い・安い・お手軽という点に着目し、屋台商売を始め成功することもしばしばあります。
忙しい人達にとってのメリットだけでなく、何か商売を始めたいと思っている人達にとっても、実は屋台商売は始めやすいのです。
そもそも屋台と言っていますが、屋台と聞くとおでんやラーメン等の食べ物を思い浮かべると思います。
その他に、思い出してみてください。ロバのパン屋~と音楽を流しながら移動販売されていたものはパンです。
竿竹~と聞こえていたのは物干し竿、石焼き芋~とおじさんが言っていたのは焼き芋・・・屋台はアイデア次第で、食品だけでなく色々なものを商品とすることができるのです。
オフィス街のお昼時に見かける弁当売りも、お年寄りが多い村に日用品を積んで売りに行くのも、お祭り等の人が集まるところに手作りアクセサリーを売るのも、全部屋台販売です。
固定の店舗を持たないので、ここは!と思うところに飛んでいき、直接お客さんの反応を感じてモノを売ることができるのです。
それでは、実際始めるには何から手を付ければいいかを見ていきましょう。
食品を扱う移動販売(屋台)を行うには、どういった許可や資格が必要でしょうか。
「道路上で移動せずに屋台や露店を置いて営業すること」は道路交通の妨げとなる可能性が高いので、道路交通法に関わってきます。
この場合は、その道路を管轄する警察署の許可を取らなくてはなりません。
また道路上で移動販売を行うということは、道路を使用するので、その使用許可を警察署やその道路の管理者から取る必要があります。
道路の管理者は多くの場合、市区町村などの地方自治体です。それぞれの許可を取るためには要件があり、通常、屋台や露店には許可は下りないことが通例です。
それでは、屋台や露店を出すにはどうすればいいのでしょうか。
道路交通法や道路法では、屋台や露店を移動せずに、公共のモノである道路の交通を妨げたり、道路を専有する可能性があるものには許可が下りません。
逆を言えば、場所を移動すればいいのです。
また、道路にこだわらなければ、駐車場や空き地スペース等であれば移動せずに営業をすることが可能です。
この場合は、駐車場や空き地を管理しているオーナー等に事前に屋台販売をする旨を説明し、承諾を得ていなければなりません。
また、人が集まる公園等で営業するのであれば、今度は都市公園法が関わってきますので、その要件に則って、公園管理者から許可を受ける必要があります。
更にその上で食品を扱うのであれば、その食品衛生法も関わってきます。
その規則に則って、飲食物を取り扱う業種では、保健所の許可を受けなくてはなりません。これは店舗営業だけでなく、屋台や露店でも同じことです。
飲食物を扱う場合、食品衛生責任者を置かなくてはなりません。食品衛生責任者の資格は、各都道府県が行っている講習を受けることにより、その資格を得ることができます。
屋台営業を行う場合に、食品を衛生的に管理・調理等するためには、自動車の改造が必要です。
きちんと衛生的に改造されている車両に対して、保健所の許可が下ります。
そして、改造が完了したからと言っても、そのまま走行させることはできません。今度は道路運送車両法という法律が関わってきます。
改造した車両に対し、登録を受け、検査に合格しなくてはなりません。
検査に合格したものには、専用のナンバープレートが発行されるのですが、特種用途自動車は8から始まる数字でナンバープレートが構成されますので、屋台車両などはまとめて「8ナンバー」と呼ばれます。8ナンバーを付けられて、初めて公道を移動することができるようになります。
屋台営業を始めるために必要な許可などを見てきました。
それでは、どういった手順で行えばスムーズに進められるのかをまとめてみましょう。
何を、いつ、どこで、どうやって、どれぐらいの資金で、だれが、だれに対して、この事業を行うかを明確に計画していきます。
簡単にできそうだから、元手が安くでできそうだから・・・なども立派な動機ですが、その事業を始めてどうしたいのかの青地図は、最初にきちんと描いておく必要があります。
食品を扱うのであれば、食品衛生責任者を置かなくてはなりませんので、早めに各自治体が開く講習を予め受けておく方がよいでしょう。
しっかりとした計画が立てられたら、それに対し、本当に許可が受けられるのかを事前に確認します。
どういった設備が必要で、揃えておかなければならない要件は何かを知る必要があります。
要件は、各自治体によってガイドラインが違うので、営業を開始しようとしている土地の市区町村での要件確認が必要です。先走って車両を改造したものの、その自治体では要件を満たしておらず、許可が下りない等となれば大変なロスが発生します。
市区町村の窓口で、事前に立てた事業計画を基に、こういった事業を行うためにはどういった手続きは必要かを確認してください。
要件を確認したら、事業計画に沿って車両を改造していきましょう。
元手をあまりかけたくなければ、自身の手で改造していくこともあるようですが、安全性などを考慮するとやはり業者に頼むほうがいいのではないでしょうか。
改造した車両に対し、食品衛生法の許可を受け、車検を受けます。
保健所に対し、営業許可をもらうために申請を行います。
必要書類、要件は事前に確認をしておき、すべてを揃えて行います。各保健所によって、多少の違いがありますので、事前確認も必ず申請を行う場所の保健所で行いましょう。
申請するときには、次回の手続きとなる施設検査の日程を予定だてます。
④の日程に沿って、施設に検査が入ります。
この時には経営者は立ち会わなくてはなりません。また、検査の結果手直し等の指示が入れば、それに従って、再検査を受ける必要があります。
施設検査を無事に通れば、営業許可が下り、許可証が交付されます。
許可が下りても、許可証がその場で交付されるということではありません。
許可が下りると、営業許可証交付通知書が届くので、それを持って許可証を保健所に受け取りに行きます。
いよいよ営業開始です。
許可証は屋台(露店)の見やすいところに掲示しなければなりません。
自動車を使って食品を調理・販売するには、「食品営業許可(自動車営業)」の許可が必要ですが、許可を受けるためには①人的要件と②設備要件をクリアーしなければなりません。
許可を受ける施設ごとに「食品衛生責任者」を置かなければなりません。
食品衛生責任者は、施設において設備の点検や食材の管理、製造・調理・販売等が衛生的に行われるように衛生的に管理をする人です。
食品衛生責任者になれる人は、食品衛生責任者養成講習会の受講者か、栄養士・調理師・製菓衛生師等の資格を持っている人が該当します。
食品衛生責任者養成講習会は自治体や保健所が主催していますので、受講申込や日程は直接問い合わせましょう。
許可を受けるには、施設基準を満たす必要があります。
食品営業許可は、いつくかに分類されているため、自分がどの業種の許可を受ければいいのかは予め保健所に相談した上で手続きを進めましょう。
施設基準は、調理営業(飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業)と販売業(乳類販売業・食肉販売業・魚介類販売業・食料品等販売業)に分けられています。
【自動車で調理して商品を販売する場合の施設基準】
【自動車で調理せず、あらかじめ包装された商材を仕入れて販売する場合の施設基準】
許可を受けるために必要な書類は、自治体の保健所によって異なります。
下記に掲げる書類が主な必要書類になりますが、それ以外にも申請先によっては、私有地を使用する場合は私有地使用承認書、水道水以外の水を使用する場合は水質検査成績書や水道水使用承認書などを準備しなければなりません。
許可を申請する自治体の保健所によって細かいルールの違いがあります。
全国で統一されたルールではありませんので、自分が営業したい地域の保健所に予め相談しておくことが大事です。
移動営業(屋台)はその特徴から、飲食店といっても必要な許可や手続きも大きく異なります。営業手法も然りです。
移動営業というその特徴を上手く活かして、アイディアを出し続けることが成功へ近道です。明確な事業計画を基に、正しい手順で、正しい手続きを踏めば、驚くほど簡単に一国一城の主となれます。さぁ、経営者の第一歩を踏み出してみましょう!
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