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事業目的は定款の絶対的記載事項です。定款に記載されている事業目的を変更したい場合、まずはじめに定款変更を行う必要があります。
定款変更後に、法務局での変更登記申請も必要になります。
事業目的は定款の絶対的記載事項であると共に、登記事項(必ず登記しなければならない事項)でもありますので、事業目的を変更した場合はその旨の登記を行います。
事業目的を変更する場合、臨時株主総会(時期が同じであるならば定時株主総会でも構いません)を開き、定款変更(目的変更)の決議を行い、その変更の日から2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局で変更登記申請を行います。
登録免許税は30,000円です。
次に目的変更時の注意点について見ていきましょう。注意点は3つです。
事業目的は一回の申請につき30,000円の登録免許税がかかります。
一度変更登記を行った後に修正が必要となり、削除、追加しなければならなくなった場合でも、その都度30,000円が掛かってきますので、事業目的の変更登記手続きは失敗の無いように慎重に行うようにしましょう。
株式会社が定款に記載する事業目的には、数の制限はありません。近々始める事業の他に、将来的に検討している事業も記載することができます。
記載をしたからといって、必ずその事業を行わなければならないということはありません。
ですが、いくら数に限りがないと言っても30個や40個も羅列することはお勧めできません(介護事業の申請でサービス業種ごとに記載する必要がある等の場合を除きます)。
会社の事業目的は、登記事項ですから登記簿謄本に記載されています。顧客・取引先・金融機関など誰でも閲覧が可能です。
事業目的の数が異常に多すぎたり、多種多様な事業目的が支離滅裂に並んでいたりすると、登記簿謄本からはその会社の実態が掴みづらく、信用を落としかねません。
融資を受ける際に金融機関から事業目的の変更をお願いされるケースもありますので、事業目的の記載の仕方には十分に気を付けるようにしてください。
許認可を取得するために事業目的を追加・変更する場合は、記載が求められる文言というものがありますので、その記載方法については、事前に役所窓口で確認を取っておきましょう。
許可が必要な業種の例:介護事業、建設業、派遣業、古物商、運送業等。
事業目的を考える際には営利性・適法性・明確性・具体性に注意しなくてはなりません。新会社法の施行以降は「具体性」については緩和されましたが、誰が見ても事業内容がはっきりと分かるような表現が望ましいといえます。
新しい事業が増えてきましたが、あまりにも目新しい言葉や表現は登記官によっては否認される場合があります。
弊社が運営しているホームページに記載例を載せておりますのでご参考くださいませ。
事業目的変更を行う場合の手続きの流れです。
STEP1 株主総会の招集
↓
STEP2 株主総会の開催
↓
STEP3 株主総会での目的変更決議
↓
STEP4 管轄の法務局にて目的変更登記申請
※登記手続きにかかる登録免許税は30,000円です。
現在行っている事業と全く違う種類の事業を検討していますが変更は可能ですか?
はい、可能です。例えば、製造業を営んでおられる会社で、新しく飲食店の経営をされることになればその旨の事業目的を追加することもできます。
一度の申請時に、事業目的の変更は何個でもできますので、新しく追加したり、削除したり、一部の表現を変えたりを1回ですることもできます。
逆を言えば、1個づつ事業目的を変更すれば、その都度登録免許税がかかってきますので、申請をされる前には、ある程度まとめておくことをおすすめします。
目的には決まった書き方ってありますか?
目的の文言には決まった書き方はありません。
例えば「通信販売」を始める場合、目的には「通信販売業」で構いませんが、更に詳細に
などと記載しても問題ありません。
ただし、注意してほしいのは事業を行うにあたって役所の許可を必要とする場合は、決まった目的文言を記載しなければならないので、予め役所にどのように記載しておけばいいのかを確認する必要があります。
例えば、派遣事業を始める場合は「労働者派遣事業」と記載しなければなりませんし、古物営業を営む場合は「古物商」や「○○の買取り及び販売」などと記載しておく必要があります。
結局どのような記載が正しいかは申請先によりますので、予め申請先の窓口に問い合わせるか申請先のホームページで確認した方が良いでしょう。
追加する場合も法務局で目的の確認は行った方がいいですか?
目的の内容によって事前の確認をお勧めしています。
通常使用されているような「飲食店の経営」や「食料品、日用品の販売」、「ホームページの制作」等であれば、特に確認するまでもありませんが、特殊な文言やいわゆる業界用語的な文言であれば、事前に確認されるほうがいいです。
確認する場合は、必ず会社の所在地を管轄している法務局で行ってください。まれにAの法務局では問題なかったのに、Bの法務局ではダメだった事があります。目的文言が適格であるかどうかの判断は、管轄の法務局の登記官の裁量に任されているからです。
しかしながら最近では目的の事前確認をしていない法務局もあります。
実際に法務局へ確認しに行ったところ、「日本語としておかしくなければ問題ない」と言われたお客様がいらっしゃいました。
目的の文言は、基本的に明確性と適法性があれば問題ないので、最近では審査も随分とゆるくなっているようです。
目的を決める上で注意することは、銀行や融資先、取引先などの第三者が見た場合に会社がどのような事業を行っているのかが分かるように記載することです。
具体性があるかどうかは、法務局では審査されませんが、具体的であればなお問題ありません。
目的はどのくらい追加できますか?
目的の数には法律上の制限はありません。
極端に言えば50個でも100個でも構いません。
しかしながら、あれもこれもと目的が50個ある会社を見た場合、どのような印象を受けるでしょうか?その会社の関係者でない第三者が見ると違和感を覚えるのではないでしょうか。
やはり目的が多すぎると、結局その会社が何を行っているのかが明確になりにくいという問題が残ります。銀行融資においても、事業目的が明確ではない、あるいは事業目的に整合性がない会社は、不利に働きます。
一般的には5個から10個、多くても20個程度にしておくと良いでしょう。上場企業である「楽天株式会社」でも目的は30個程度です。
法務局で登記申請する際には、目的をいくつ追加しても削除しても変更しても1回の申請で行えば、登録免許税に変わりはありません。
ですので、ただ漫然と目的を追加していくのではなく、現在の目的と似たような文言があれば精査してまとめるなど、全体的に見直した上で変更登記されることをお勧めします。
今までにないような新しい事業を考えていますが、注意点はありますか?
世の中の多様性に伴い、様々な新しい事業が増えています。
せっかく素晴らしいアイデアが出て、それを実現しようとしても登記が通らないことには、その事業を始めることができません。
思いついたその事業に「営利性」はあるか、「具体性」はあるかなどそれぞれの法務局で、登記の判断は任されます。
ですので、事業目的を変更する際には、管轄の法務局で確認されることをおすすめします。
事業目的を追加し、新規ビジネスを始めます。日本政策金融公庫や制度融資などからの資金調達を考えています。何か良い制度はありませんか?
日本政策金融公庫には、新事業活動促進資金といって、経営の多角化や事業転換を図る会社向けの融資制度があります。
事業の多角化や拡大化を考えているのであれば積極的に活用すべきと言えます。日本政策金融公庫融資を専門としている税理士・公認会計士への相談はこちらから可能です。→絶対資金調達!公的融資ドットコム
株式会社の事業目的を変更した場合、本店所在地を管轄する法務局において、変更登記申請を行わなければなりません。ここでは、株主総会の招集から変更登記完了までの流れを詳細に解説していますので、参考にしてください。
手続きに瑕疵があると、総会決議自体が無効となったり、後々株主間や会社・株主間の間でトラブルになることもあります。注意して手続きを進めてください。
STEP1
株主総会の開催の決定
事業目的は定款に記載されていますので、株主総会を開催して定款変更の決議を行います。
株主総会を開催するには、取締役会を設置していない会社では取締役の過半数の一致で決定し、取締役会設置会社では、取締役会の決議に基づいて、開催日時、場所、議題等を決定します。
STEP2
株主の招集
株主総会の開催が決定したら、株主に対して招集通知を発送します。
招集通知は公開会社であれば、株主総会の日の2週間前までに、非公開会社であれば、株主総会の日の1週間前までに招集通知や議決権の代理行使を認めていれば委任状を発送します。
非公開会社の中でも「取締役会を設置していない会社」であれば、定款で招集期間を1週間よりも短くすることができるため、その場合は定款に定められた期間に従います。
ただし、非公開会社であっても書面投票や電子投票による議決を認めた場合は、株主総会の日の2週間前までに招集通知を発送する必要があります。
STEP3
株主総会の開催
定款変更(事業目的変更)の決議は、株主総会の「特別決議」によって行われます。
特別決議には定足数が設けられていて「議決権の過半数を有する株主」が出席しなければなりません。ただし、定款においてこの定足数を3分の1以上の割合で定めることができるため、その場合は定款に定められた決議方法に従います。
尚、株主総会へ出席できない株主は、委任状により代理人を株主総会に出席させて議決権を行使することもできます。
STEP4
定款変更の決議
株主総会の特別決議は、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要になります。
あまり多くはありませんが、定款において3分の2を上回る決議要件を定めを置いている場合は、定款に定められた決議方法に従います。
STEP5
株主総会議事録の作成
株主総会終了後、議事の経過や議決内容を記載した「株主総会議事録」を作成します。
<株主総会議事録記載事項>
会社法によれば株主総会議事録には、取締役の署名や押印義務はありませんが、議事録作成取締役及び出席取締役が記名押印をすると定めていることが多くあります。
定款において署名義務者を定めている場合は、その定めに従い記名押印等します。
STEP6
登記申請書類の作成
株主総会議事録以外の法務局へ登記申請するための必要書類を作成します。
STEP7
変更登記申請を行う(本店所在地を管轄する法務局)
目的変更を行った日から原則2週間以内に、本店所在地を管轄する法務局へ目的変更の登記申請を行います。
登記期間である2週間を過ぎても、登記が受理されないことはありません。ただし、あまりにも期間が経過している場合は、登記懈怠(遅延)しているとして、過料が発生する可能性がありますので、注意してください。
窓口での申請、郵送での申請、どちらでも構いません。郵送の場合は収入印紙の貼り忘れに注意してください。30000円もの金額の収入印紙を同封しますので、郵便事故などのリスクをお考えになる場合は、窓口申請の方が無難でしょう。
STEP8
株主総会議事録の備え置き
株主総会議事録は、会社の本店(本社)に10年間備え置かなければなりません。これは義務ですので、これを怠ったときは代表取締役に過料が課される恐れがあります。
会社の株主や債権者は正当な目的があれば、会社の営業時間内に議事録を閲覧・謄写を請求することができます。このような場面を想定して保管場所を意識して備え置く必要があります。
STEP9
必要に応じて定款の再作成
目的を変更しても、定款を作成し直す必要は必ずしもありません。変更前の定款と株主総会議事録を一緒に保管しておけば、それで問題ありません。
新しい目的にした最新の定款「現行定款」を作成したい場合は、ワードなどで一から作成することになります。
尚、この作り直した定款は公証役場で認証を受ける必要はありません。
こちらのマニュアルでは、目的変更手続きに必要な書類一式の雛型を同梱しております。
穴埋め式ワードファイルと解説マニュアルがついていますので、一般の方でも楽々手続き完了!
とにかく、安く、簡単に手続きを終えたいという方にはおススメです!
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