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株主が死亡した場合、株主が持っている株式は相続の対象となりますので、相続人が株式を承継することになります。
「譲渡」ではなく「相続」ですので、死亡した時点で相続の対象となり、相続人全員の共有財産となります。
その後、相続人による協議によって、株式を相続した人が株主となります。
基本的には相続人同士の話し合いで決定しますが、もし協議が整わない場合は、裁判所へ調停を申し立てて決める必要があります。
では、どのような手続きが必要になるかを見ていきましょう。
通常相続は「法定相続割合」という割合によって、相続財産が分けられます。
例えば、死亡した社長に妻と子一人がいれば、配偶者である妻に2分の1、子どもに2分の1ずつ取り分があります。
もし、現金1000万円の相続財産あれば、妻が500万円、子どもが500万円の割合で分配されます。
しかし、株式の場合、他の財産と性質が異なるため、法定相続割合に応じて分配されるわけではありません。
例えば、死亡した社長が株式を1000株持っていた場合、妻が500株、子どもが500株と分けられるわけではないのです。
株式はもちろん資産ですが、株主総会において議決権を行使できるなど権利も有しているため、当然には分配されず相続人全員の「共有財産(正確には準共有)となります。
従って、相続人の誰が株式を相続するのか、相続人同士が話し合うことになります。
もし亡くなった社長が「株式は○○に相続させる」と遺言書を残していれば、その人だけが株式を相続します。
また、相続人が一人しかいなければ、その相続人がすべての遺産を相続することが明らかなので、話し合いも要りません。
しかし、そのようなことはまれであり、遺言書を残しておらず、相続人は複数いることが一般的でしょう。
相続人が複数の場合は、相続人全員で相続財産をどのように分けるかを決めなければなりません。
この相続財産をどのように分配するか決めることを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議には、相続人全員が参加しなければならず、誰か一人でも参加していなければその協議は無効になりますので注意してください。
相続財産が株式だけであることはまれですので、相続財産全体のバランスをみて、誰に何を分けるかを検討していきます。
例えば、不動産はAさんに、現金と株式はBさんにという具合です。
問題なく遺産分割協議が整うと、相続人で決めた相続財産をそれぞれが相続することになります。
もし、相続人の間で話し合いがまとまらない場合、遺産分割協議が終わらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」申し立てることができます。
調停委員と当事者で話し合いが行われ、調停がまとまると「調停調書」が作成されます。調停調書通りに遺産分割を行うことができます。
調停が成立しなかった場合には、自動的に「審判」が開始されます。審判は訴訟(裁判)と同じようなものですので、話し合いではなく、相続人がそれぞれの主張を立証していくことになります。
最終的には、審判官によって最も妥当と考える方法で、遺産分割の審判がなされます。審判書が作成されますので、審判書通りに遺産分割を行います。
上場していない会社の株価は、上場会社とは異なって取引価格が公開されていないため分かりません。
相続財産は原則「時価」評価となりますが、複雑な計算方法となるため、一般の人では容易に株価を算定することが困難です。
専門的な知識が必要ですので、税理士さんや会計士さんなど専門家に評価を依頼すると確実です。
また、株式を相続した場合の相続税も予め算定してもらうと良いでしょう。
遺産分割協議の前提として、相続人が誰かを特定しておく必要があります。もし協議後に他の相続人がでてきた場合、遺産分割協議をやり直さなければなりません。
まずは、死亡した人の戸籍謄本を取り寄せて調査することから始めます。
相続財産にどのような財産があるかを特定します。相続財産といっても現金、預金、株式など有価証券、不動産(土地・建物)、自動車、保険金、宝石・貴金属など様々な財産があります。
相続人間で不公平が生じないように、全ての相続財産について「金銭(お金)」としての評価を行います。
預金通帳、有価証券であれば残高証明書、不動産は固定資産税評価額、自動車は買い取りする場合の時価、宝石・貴金属などは基本的に時価など、合理的な方法で算出することになります。
必要に応じて専門家に依頼するなどをして、相続財産を確定していきます。
遺産分割協議は、相続人全員が話し合うかたちで進めていきます。
一部の相続人を除外した遺産分割協議は無効ですので、気をつけてください。どのように分割するか、その内容は相続人の自由に任されています。
相続人全員が集まるのが困難な場合は、電話やファックス、メールなどで話し合いを進めることもできます。
遺産分割協議が終了したら遺産分割協議の内容をまとめ、後日揉め事が起こらないように「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書には決まった形式や書式はありませんので、基本的にどのように作成しても構いません。
注意点としては、相続人全員の署名と捺印が必要なことです。もし財産を相続しない相続人がいても必ず全員が署名して捺印します。
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株式を相続する相続人が決まったら、会社に対して名義書換請求を行います。
株式会社は、従来「株券」を発行していましたので、株券を持っていることイコール株主であると証明できました。現在では、株券を発行しないことが原則となったため、ほとんどの会社では株券は発行されていません。
株券が発行されていない株式会社では、「株主名簿」で株主を管理しているため、株主名簿に載っているイコール株主であると証明できます。
株式を相続したら、新しい株主として株主名簿に登録されるように株主名簿の名義書換を請求する必要があります。
名義書換は、会社の定款に定められている「株主名簿記載事項の記載の請求」の規定に従って行います。遺産分割協議書、戸籍謄本、名簿書換請求書など必要書類を提出することで、株主名簿が書き換えられます。
一人会社の社長兼株主が亡くなった場合、新しい社長が就任してから名義書換を請求することになります。
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