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若者の車所有割合が減少傾向だという話を聞いたことはありませんか?
実際、車を持っている人の数は減っていて、1人に1台どころか一家に一台も無いという家庭が増えているのが現状です。
そういった最近の傾向から、レンタカーやカーシェアリングが普及しつつあります。
レンタカーより短時間の使用を想定しているのがカーシェアリングと呼ばれていますが、ここではまとめてレンタカー事業として進めていきます。
不特定多数が使用する車をレンタルし、使用後は返却するという構図は、普通のことのように思えますが、それは日本の治安が安定していることや日本人特有の清潔さや道徳観の高さが背景にあるからです。
貸し出す車を、屋外の駐車場に停めておくことも、借りた車を乱暴に扱わずキレイに使用し返却することも、日本人だからこそとも言われています。
こういったことからも、日本でのレンタカー事業は成功しやすいと見られています。
レンタカー事業を始めるには、「自家用自動車有償貸渡業」の許可を取らなくては営業することができません。それでは、許可を取るための流れを見ていきましょう。
レンタカー事業は、法令では「自家用自動車有償貸渡業」といいます。この事業の許可は国土交通大臣に発行してもらいます。
ただし、申請窓口は国土交通省ではありませんのでご注意ください。
窓口は、各地方にある「運輸支局」です。個人の場合は、事業所を置く場所を管轄する運輸支局、法人の場合は、本店所在地である場所を管轄する運輸支局が申請先となります。
自家用自動車を他人に貸して利用料をもらうという意味では、レンタカーとリース車は同じように考えられます。
ここで、車を貸す人と貸してもらう人がいるとします。貸す人が貸した人に車を貸します。車検証の「所有者」はもちろん貸す人ですが、「使用者」の欄にも貸す人の名前が記載されている場合、これは「レンタカー」となります。
同じように、貸す人が車を貸してもらう人に車を貸したとして、車検証の「所有者」は貸す人、「使用者」は貸してもらう人の場合は、車の「リース」という扱いになります。
レンタカー事業を行う場合は「自家用自動車有償貸渡業許可」が必要ですが、リース業を行う場合は平成18年10月以降、この許可が不要となりました。
レンタカー事業を始めたとしても、以下の車両はレンタルできません。
また、125cc以下の原付自転車のレンタルについては、許可は不要です。
126cc以上のバイクの貸出には、許可は必要です。
レンタカー事業許可を申請した場合、下記の項目を満たしていれば許可が下りるとされています。
まずは、事業所ごとに「事務所責任者」を置かなくてはいけません。
事業所が複数箇所あれば、それぞれに責任者が必要です。ただし、何か資格が必要というわけではありません。
また、①レンタカーを10台以上登録する場合、②乗車定員11名以上のバスを1台以上登録する場合、③総重量8トン以上のトラックを5台以上登録する場合には、その事業所には「整備管理者」を置かなくてはなりません。
定めた整備管理者は、管轄の運輸支局へ届出を行わなくてはなりません。
上記①②③以外の事業所であれば、「整備責任者」を置く必要がありますが、この整備管理者になるためにの必要な資格等はありません。
「整備管理者」になるには、①3級以上の自動車整備士の資格を持っている、もしくは②資格はないが、2年以上整備・整備管理の実務経験があり、整備管理者選任前講習を修了した者しかなれません。
STEP1
まずは、許可を取るために提出しなくてはならない書類を作成、収集。
STEP2
書類をきっちり揃えたら、事業所管轄の運輸支局へ提出・申請。
STEP3
審査期間が約30~40日間
STEP4
許可が下りた旨の連絡が入ったら9万円の登録免許税を納めて、許可証を受領
STEP5
運輸支局に車両を持ち込み、車検証の書換・「わ」ナンバーの取付
STEP6
約款と料金表を見えやすいところに掲示し、レンタカー事業開始!
レンタカー事業の許可には有効期限はありません。
ですので、更新手続きはしなくていいのです。ただし、毎年4月1日~翌年3月31日までの事業の状況については「貸渡実績報告書」「事務所別車種別配置車両数一覧表」を提出しなくてはいけません。
これは、毎年5月31日が締め切りとなっています。
最近では珍しくなくなってきましたが、外国人にもレンタカーを貸し出すことはもちろんできます。
日本で自動車を運転できる外国人の条件は以下の通りです。
②の国際免許は、ジュネーブ条約で基準が定められています。
日本でレンタカーを借り、運転しようとする外国であれば、ほとんどの人が国際免許を持っていることが前提ですので、きっちりと確認しましょう。
また、意外なことに、中国人は基本的には日本でレンタカーを借り、自動車を運転することはできません。
これは、中国はジュネーブ条約に加盟していないので、中国人に国際免許が発行されることはないからです。
また、中国の免許制度は日本のそれと同等水準だと認められていないからでもあります。ただし、日本の運転免許を持っている人は問題ありません。
旅行先の見知らぬ土地で、レンタカーはとても助かる道具のひとつです。
東京オリンピックを前に、外国人観光客が増えることで、観光産業の母数が増えることも見込まれます。
冒頭で、日本人の道徳観は・・・などと書きましたが、レンタカーの基本は、初めて運転する車に、見知らぬ人が次々と乗って行くことです。
借りる方のマナーももちろん大事ですが、貸す方も、万が一事故が起こったときには、きちんと対応できるように予めの備えが、とても大事になってきます。
自動車は、少しの間違いで、人を死に至らしめることも、物を大きく傷つけることもできるモノです。
それを貸し出すということを十分肝に銘じて、予防・備え・確認作業を怠らないように、正しく営業していきましょう。
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