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株式会社設立で得られる10のメリット

はじめに

当ページでは、最もメジャーな法人形態である株式会社設立のメリットを、10のポイントに分けて、解説しています。

数年前に比べると、株式会社設立手続きは簡素化され、更に、資本金規制もなくなり一人でも気軽に設立ができるようになりました(詳細はこちら:ココが変わった!新会社法!株式会社設立5つのポイント!)。

株式会社を設立することによるメリットは数多くあります。

まずはじめに頭に思い浮かぶのは「節税」という言葉だと思いますが、それだけではありません。

グラフ

ビジネスは信用が第一。人材確保も必要。

株式会社設立によるメリットを最大限享受するには、その社会的背景や法制度を押さえ、賢く、活用すること。

それも社長であるあなたのお仕事の一つです。

それでは、見ていきましょう。

なお、具体的な株式会社設立手続きの内容についてはこちらのページをご覧ください。

目次(もくじ)


1. 社会的信用が増す

個人事業主での営業よりも、会社形態の方が取引先や金融機関等の信用度が高いです。

会社は資本金や役員、会社の規模によって決算内容を情報開示しなければなりませんので、利害関係者(取引先や債権者、顧客)からの信用も得やすく、また、社会的にも信用度は高くなります。

営業活動も円滑になり、かつ、金融機関からの融資も受けやすくなる場合があります(借入額も個人と比べ大きくなる可能性が高まります)。

個人事業の場合、相続が発生(個人事業主が死亡)すれば、そこで事業はストップしますが、株式会社の場合はそうではありません。株式会社は「法人」ですから、自ら清算をしない限りは、死にません。

他に取締役がいれば、会社自体は営業活動ができますし、仮に取締役が一人の場合でも諸手続きを経て、株主が新たに役員を選任することもできます。この点も、株式会社の信用面でのメリットです。

また、近年設立数が増えている合同会社(LCC)も、まだまだ認知度は高いとは言えず、合同会社を設立後、信用を得ることが難しく、株式会社へ組織変更をされる会社さんも多いのが現状です。

二度手間になりますから、法人化の目的において、「信用」に重きを置く場合は、株式会社が絶対的にお勧めです。

株式会社の資本金と社会的信用の関係は?

かつて(10年ほど前)は、1000万円以上の資本金を用意しなければ、どんな素晴らしいビジネスアイデアがあっても、株式会社は設立できませんでした。これを資本金規制と言います。

最低でも1000万円、自由に使えるお金があるって結構規模感がありますよね。

なので、株式会社と言うだけで「資金力がある」ということが証明できましたが、今は違います。資本金規制は撤廃されたのです。

国は起業しやすい土壌を作ろう(長年の不景気からの脱却・経済を活性化させたい)と、規制緩和に動きます。

前述の通り、株式会社は資本金1円からでOKですよという法律(会社法)を作りました。素晴らしいことですね。実際に株式会社は急激に増えました。

ただ、逆に言えば株式会社という器・箱は登録免許税などの実費20万円ほどを払ってしまえば持てるわけですから、昔のように「株式会社=資金力がある」とはなりません。この点は注意しておいた方が良いでしょう。

資本金の額をいくらにするかは起業家にとって悩ましい部分ではありますが、こちらのページを参考にしていただければ資本金の額は自ずと決まってくるかと思います。

ぜひ、参考にしてみてください。

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2. 法人に限られていたビジネスにも参入できる

業種によっては、個人事業では許認可がとれず、ビジネスへの参入が認められない場合があります。

例えば、介護事業者の指定を受けるには、その指定要件として法人であることが要求されます。他にも、インターネット経由での商品仕入れなどに法人格を要求している会社も見られます。

更に、大手企業などでは、取引先を「株式会社のみ」と限定しているところもあるようです。

個人事業や合同会社、LLPは一切認めない。という極めて門戸を狭めている大企業もあります。

法人格の問題だけで、大企業との取引ができないのは、大きな痛手となります。株式会社を設立することによって、ビジネスチャンスが広がります。

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3.「co.jp」ドメインが取得できる

会社設立後、インターネットからの集客も考えているのであれば、ホームページの作成は必須です。

企業の情報発信・販促ツール、インターネット取引など、事業運営上でホームページの作成は必要不可欠。

ホームページを運営するには、簡単に言うと、インターネット上の「住所」のようなものが必要であり、その住所のことをインタネット上では、「ドメイン」と呼びます。

そのドメインには、「○○○.co.jp」のほか、有名なものに「○○○.com」「○○○.net」などがあります。

「com」「net」ドメインは、個人事業主でも、一般市民でも取得することができますが、「co.jp」については、日本国内において登記されている株式会社、特例有限会社、合同会社、合名会社、合資会社などであることが、その取得要件になっています。

「co.jp」ドメインを取得することにより、国内外に対して、れっきとした「日本法人」であることをアピールすることができます。

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4. 資金調達の手段が増える(増資・社債など)

株式会社は、設立後も株主を新たに募集し、出資をしてもらうなどして、会社の資本金を増やすことができます。

出資者も利益の配当等を受けられることを期待して出資をしますので、利息無し、返済期限も無し、という形で資金を集めることが可能となります。

銀行との取引に有利

公的機関である日本政策金融公庫等などでしたら、個人事業と株式会社の別で融資の審査において特段の差は見られることはありませんが(創業融資の場合)、銀行などのプロパー融資は、個人では借り入れは難しく、対象を株式会社などの法人に絞っていることが多いようです。

直接金融である「社債」の発行も可能になる

株式会社の場合、社債の発行も可能です。

社債なんて大企業しか発行できないんじゃないの?と思われる方もいると思いますが、中小企業向けの制度もあるのです。少人数私募債です。

直接金融である少人数私募債の発行が可能なところも、株式会社の大きなメリットです。

株式会社の設立と同時にお金を借りるには?

会社設立・起業と同時に資金調達をお考えの方も多いかと思います。

もちろん、創業時に融資を受けることは可能ですが、いくつかの制限や条件があります。

まず、民間金融機関からの借入は難しいということ。所謂、プロパー融資ですが、創業時においてはほぼ可能性はゼロです。

ですから、それ以外の方法を考えなければなりません。

ココで頼りになるのが国や自治体が運営している公的機関の「日本政策金融公庫」と「信用保証協会(制度融資)」になります。開業資金不足が起業の妨げとなり、起業する人がいなくなってしまったら経済は成長しません。民間が貸さないなら国が貸すしかないという訳ですね。

とは言え、だれでも簡単に借りれるわけではありません。

一定の条件があります。

自己資金、起業する業界の経験年数、適切な事業計画書の作成などです。

詳しくは、下記ページを参考にしてください。

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5. 出資者の責任が限定される

株式会社の場合、出資者は会社債権者に対してその出資の限度でしか責任を負いません。

例えば、株式会社の出資者である株主は、会社が多額の負債を負ったとしても、最終的には自分が出資した資金の範囲内で責任を負えば足ります。

自分が作った会社に100万円の出資をした場合は→100万円、1000万円出資した場合は1000万円まで。

出した金額が全てパーになってしまう可能性はありますが、それ以上の負債を負うことはありません。

これを有限責任と言います。個人事業主や合資・合名会社などは逆に「無限責任」といって、出資した以上の責任を無限で負うことになります。

※ただし、会社名義の借入において、会社代表者であるあなた個人が会社の連帯保証になった場合(経営者保証と言います)に、返済ができないとなると、あなた個人の財産をもって債権者に対してその弁済をしなければなりません。

金融機関側からすれば、経営者本人を保証人にしておけば、会社が潰れても経営者個人から取り立てが可能ですので、取りっばぐれの心配が無くなります。このような理由から、通常はこの経営者保証をさせられるのですが、経営者とその家族への負担は非常に大きくなっていまいます。これでは会社を興して事業を始める人が増えません(逆に経営者保証があったからお金を借りて起業ができたという側面もあるのですが)。

昨今、この経営者保証という商慣習を見直そうという動きが出てきています。中小企業庁や金融庁がその旗振り役としての役目を務め、経営者保証に関するガイドラインというものを定めています。また、日本政策金融公庫の新創業融資では基本的には無担保・無保証人で利用ができるようになっていますし、それとは別に、経営者保証免除特例制度というものも新たに設けています。

これとは別に、取締役としての業務執行責任等を問われる場合もあります。

取引先や友人からの取締役就任の誘い等があっても、安易かつ気軽に引き受けることはオススメできません。

人から頼まれて役員に就任する場合も、会社法・民法上の取締役等の責任の知識については、最低限入れておくべきと言えるでしょう。

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6. 代表者が変わっても事業継続がスムーズに

1の社会的信用が増す。でも述べましたが、個人事業の場合は当の本人である「事業主」が死亡してしまうと、それまでの取引、信用や財産といったものを継承しがたく、第三者に引き継げとしても、新たな信用を築くには相当の時間がかかります。

個人事業はあくまでも「事業主個人」が養い育ててきた信用・実績・経歴などで仕事を取り、事業を回してきているケースがほとんどでしょう。

その当の本人が死んでしまえば、事実上、事業の継続は難しくなると言わざるを得ません。

株式会社等、法人格がある場合は、仮にワンマン社長であっても、法的にはあくまでも会社間の取引となり、代表者や担当者が変わっても、法的な取引にはさほど大きな影響を与えません。社長が亡くなってもひとまずは会社という器が残りますので。

会社の場合だと、親族を取締役に迎え入れる、株式を生前に譲渡しておくなど、事業承継対策もスムーズに行えます。

事業承継、株式分散対策の為に様々な種類の株式を発行できるのも株式会社の魅力です。

【関連ページ】

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7. 人材の確保にも有利

就職先を選ぶ際、同じ採用条件であれば個人事業より社会保険完備(厚生年金保険、健康保険)の会社組織を選ぶ応募者が大半を占めます。

法人格を持っているという点では同様の会社組織である合同会社の社長さんの話によると、やはり、人材採用時は株式会社と比べて認知度が低いので、苦労することも多いようです。

有限会社も今は会社法上、株式会社と同様の扱いですが、株式会社に比べて、やはり人は集まりにくいようです。有限会社でも大きな会社はありますが、若い世代からすると「古い昔の会社」とのイメージがあるのだと思います。「規模が小さく家族経営」という印象の方が強いようです。

現在、選べる法人格は増えてはきました(合同会社、一般社団法人、一般財団法人、NPO、LLPなど)が、人材採用においては株式会社が一歩も二歩もリードしているようです。

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8. 税金の負担が軽くなる

個人事業の場合、所得税は超過累進税率(売上に比例した税率)で課税されます。

法人税は売上に関係なく税率が一定ですので、年間所得が一定の金額に達した場合、会社を設立した方が税金面で有利だと言えます。

個人の場合、最高で住民税・所得税の合計55%に、事業税の5%です。

法人の場合、最高でも約41%です。

また、個人事業の場合、経営者が亡くなれば、個人財産、事業用財産などすべてが相続の対象となるために、相続税がかかってきますが、会社組織の場合は、例え経営者が亡くなったとしても、解散などの事由がない限り会社は存続するので、会社の財産であれば、相続税は課税されません(経営者が所有していた株式については課税されます)。

次に、赤字の繰越控除についてですが、個人事業主の場合は3年間、法人の場合は9年間まで赤字の繰越が可能になります(いずれも青色申告である必要があります)。大幅な赤字を計上しなければいけない場合、法人の方が圧倒的に有利になります。

株式会社を作って節税をするなら税の専門家である税理士さんに相談しましょう。

株式会社設立による節税メリットは、それぞれの会社の事業形態によって異なります。役員報酬や資本金をいくらに設定するか(消費税の問題)も非常に重要です。トータルの節税額が大きく異なってきます。

特に、設立時の役員報酬を決めるにあたっては、緻密な事業計画と税理士との打ち合わせが絶対に欠かせません。

役員報酬の設定額によって、法人税のほか、社長であるあなたの手取り額(個人の所得税・社会保険料の負担額など)に大きな影響を及ぼすからです。

【顧問税理士がいらっしゃらない方へ】

株式会社の設立の前に、税理士の相談を受けてみたいと言う方は、下記サイトをご利用ください。全国対応、相談無料ですので、お気軽にご利用いただければと思います。→全国税理士紹介センター

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9. 社会保険に加入できる

会社であれば、代表者であるあなたや、代表者の配偶者も社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することができます。

※あなたに奥様がいらしゃる場合は、第3号被保険者(専業主婦)になれますので、世帯全体としての出費を削減できます。

個人事業主の場合は、何人も従業員を雇ったとしても、個人事業主自身は、社会保険(国民健康保険・厚生年金保険)の被保険者になることはできません。

社会保険料の負担が増えるというデメリットもありますが、保険料の会社負担分は会社の経費になりますし、健康保険の手厚い給付や、国民年金より格段に多い年金を受け取れる(役員報酬額に依ります)ようにもなります。

健康保険・厚生年金と国民健康保険・国民年金とでは、従業員に対する福利厚生の面においても大きな違いがあります。介護・育児給付、障害年金など、全体的に健康保険・厚生年金の方が優遇されています。

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10. 決算期が選択できる

株式会社は決算期を自由に選ぶことができます。決算期を年に2回とすることもできます(通常は1回です)。

個人事業の場合は年に1回、1月1日から12月31日までと決まっています。

なお、株式会社の場合、設立後においても、いつでも決算期の変更が可能です。

株式会社の確定申告について

株式会社の法人税の確定申告は、事業年度終了の日から2ヶ月以内に行わなければなりません。

が、定款に「定時株主総会が事業年度終了後3ヶ月以内に行う」旨の規定をおいている場合は、1ヶ月延長することができます。

この場合、税務署に申告期限の延長の特例の申請書を提出します。

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最後に。個人事業のメリットは?

会社のように設立手続きが煩雑ではなく、設立費用も一切かかりません。

すぐに事業をスタートできます。

許認可が必要な事業を行うのでなければ、役所への届出も税務署への開業届のみです。設立登記・変更登記も必要ありません。

5人以下の個人事業主の場合は、社会保険への加入は任意ですので、社会保険料の事業主負担も必要ありません。

税金面に関しては、個人事業で赤字であれば、税金がかかることはありませんが、法人の場合は、赤字でも、必ず7万円は税金を納めなくてはなりません。

税務申告も株式会社でしたら必ず税理士が必要になります。100歩譲って個人事業でしたら、まだなんとか自分一人でも確定申告できますが、法人の申告は素人が簡単にこなせる手続きでは決してありません。

税の専門知識が必要になりますし、経営者であるあなたが税務申告に多大な時間を使っている暇はありません。よって、税理士への顧問料もランニングコストも考慮しなければなりません。

以上が、個人事業のメリットであり、株式会社設立のデメリットになります。

ただ、よく考えてみてください。

株式会社を設立しようとしている方が、社会保険の法人負担分や、法人住民税の7万円を支払う自信が無いというのであれば、そもそものビジネスプランが甘いと言わざるを得ません。

株式会社の最低限の運営コストですら支払う自信がない場合は、株式会社を設立して起業という選択肢は、まだ考えない方が賢明かと思います。

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