普通自動車を現物出資する場合(必要な手続き・書類・メリット・デメリット・注意点など)

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普通自動車を現物出資する場合(必要な手続き・書類・メリット・デメリット・注意点など)

会社を設立するには、資本金が必要です。

資本金として準備できる資金が少ない場合、出資者の所有物を設立予定の会社に出資することで資本金にできます。

これを「現物出資」と言います(参考:現物出資とは?)。

例えば、出資者の個人名義の自動車を現物出資することができます。

今まで事業用として使っていた自動車を会社設立後もそのまま使うことはよくあります。このような場合、出資者個人から会社へ出資することで資本金を大きくすることができます。

ただし、出資者が所有する自動車でなければなりませんので、まずは車検証の所有者欄を確認してください。所有者欄がリース会社やローン会社であれば、出資することができませんので注意してください。

現物出資の総額が500万円以下であれば、特別な手続きなく、自己責任で現物出資を行う事ができます。

普通自動車を現物出資する必要な手続き

自動車を現物出資する場合でも、通常の会社設立の手続きとあまり変わりなく行えます。

具体的には、下記の手続きが必要になります。

(1)定款に現物出資に関する事項を記載する。

会社設立時の定款において、現物出資をする者の氏名・財産の内容・価額・割り当てる株式数を記載します。

(現物出資)
第○条 当会社の設立に際して現物出資をする者の氏名、出資の目的である財産、その価額並びにこれに対して与える株式の数は、次のとおりである。
1.出資者 発起人 神戸 太郎
2.出資財産及びその価額
自家用自動車1台
車 名:マーチ(平成26年製)
車台番号:BNK11-123456
型 式:CBA-BNK11
価 額:金20万円
3.与える株式の数 20株

(2)調査報告書、財産引継書、資本金の額の計上に関する証明書を添付する。

通常の登記申請に必要な書類に加えて、調査報告書、財産引継書、資本金の額の計上に関する証明書を添付します。

  • 調査報告書:設立時取締役が出資された自動車の価額設定が適切かどうか調査を行ったことを証明する書類
  • 財産引継書:出資者から会社へ自動車が出資されたことを証明する書類
  • 資本金の額の計上に関する証明書:金銭・現物出資を含めた資本金の額を会社法に従って計上したことを証明する書類

普通自動車を現物出資をする際の注意点

自動車を現物出資する場合の価額は、購入価額ではなく、その時の市場価格「時価」です。

中古車販売会社のホームページから相場が確認できますので参考にすると良いでしょう。

時価よりも高い金額にして、定款に記載された価額に対し著しく不足する場合は、発起人及び設立時取締役は、会社に対して不足額を支払う義務が有りますので、注意してください。

また、現物出資をする財産の「総額」が500万円を超える場合は、「弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明書」が必要です。

通常、自動車1台の時価が500万円以上であることは少ないと思いますので、弁護士さんや税理士さんからの証明書は不要であることの方が多いです。

ここで注意して欲しいのは、「総額」が500万円を超える場合であるということです。

もし、自動車以外の現物出資財産がある場合で、その総額が500万円を超えた場合は、弁護士さんや税理士さんに依頼して証明書を作成してもらう必要があります。

また、現物出資した自動車は会社設立後に個人名義から会社名義へ名義変更をしなければなりません。

自動車の名義変更は、まず会社名義の車庫証明を取得して、運輸支局で名義変更手続きを行う流れとなります。年式などにより会社側は自動車取得税がかかる場合があります。

また、時価以上で譲渡すると出資者に譲渡所得が発生する可能性がありますので、注意してください。

増資の場合

会社設立時はもちろん、会社設立後に資本金を増やす(増資する)際にも、自動車を現物出資することができます。

会社設立時とは異なり、現物出資する人は発起人(株主)以外の第三者でも問題ありません。現物出資をする人は、出資をする物と引き換えに会社の株式を取得することになりますので、会社の株主になります。

また、会社設立時とは手続きが異なり、定款に現物出資に関する事項を記載する必要はありません。

設立時に必要であった「調査報告書」、「財産引継書」も必要なく、金銭で増資する場合と同様の手続きで行えます。

つまり、通常の増資をする場合と必要書類はほとんど同じという事になります。

増資を行うには、現物出資による増資についての株主総会の決議が必要です。

株主総会で承認を得たら、出資者に募集事項を通知して、出資者から申込みを受けます。

出資者は決められた期日までに自動車(現物出資財産)を会社に引き渡します。

会社は、現物出資された財産の額が資本金に計上されたことを証明する書類を作成し、法務局へ変更登記の申請を行います。

<増資をする場合の必要書類の例>

  • 株主総会議事録
  • 募集事項等の通知書
  • 募集株式申込証
  • 割当通知書
  • 資本金の額の計上に関する証明書
  • 登記申請書

ただし、現物出資をする財産の「総額」が500万円を超える場合は、増資をする場合の必要書類に加えて、弁護士さんや税理士さんからの証明書が必要です。

【増資手続きに必要となる書類一式はこちら】

現物出資後の手続き

会社設立時に個人所有の普通自動車を現物出資した場合、自動車の名義を個人から法人に変更する手続きが必要になります。

手続きを行う場所は、車の使用者(会社)の住所を管轄する運輸支局です。

今まで車の所有者である個人が駐車場を借りていたと思いますが、出資をしたからには会社が所有者になりますので、会社の名義で駐車場を借りることになります。

駐車場を借りることができたら、警察署で車庫証明(自動車保管場所証明)取得します。

車庫証明書は名義変更をする上で必要な書類ですので、例え同じ駐車場を借り続ける場合であっても会社名義で再度取得しなければなりません。

<車庫証明申請に必要な書類>

  • 自動車保管場所証明申請書(警察署窓口で取得)
  • 駐車場を使用する権原を疎明する書面: 自認書(駐車場が会社の所有地である場合)または使用承諾証明書(駐車場を借りている場合)
  • 保管場所の所在図・配置図(警察署窓口で取得)

車庫証明を取得後、おおむね1ヶ月以内に運輸支局で名義変更(移転登録)の手続きを行います。

手続きの詳細を更に詳しくお知りになりたい方は、下記ページも参考にしてください。

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