合同会社から株式会社に組織変更する場合に必要となる22の手続き一覧

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合同会社から株式会社に組織変更する場合に必要となる22の手続き一覧

チェックリスト

合同会社から株式会社に組織変更するには、一旦合同会社を解散して新たに株式会社を設立する事になります。

つまり、まったく形態の異なる会社になりますので、その手続きはとても煩雑です。

新しく株式会社の定款を作成したり、登記申請に必要な書類を作成したりと、作成する書類の数は他の変更手続きとは比べ物になりません。

法務局へ登記申請を行う前に、債権者保護手続き(官報公告及び債権者への個別通知)を行う必要があり、最低でも1ヶ月半以上の期間がかかります。

登記手続きの中でも最も大変な手続きの一つですので、基本的には専門家へ依頼するのが望ましいです。

そして無事、株式会社へ組織変更できた後にも行わなければならない手続きがたくさんあります。

基本的には商号(会社名)が変わったわけですから、税務署などの役所や銀行、取引先、契約先、公共料金関係などへの届出等を行うべき先は数多くあります。

当ページを参考に株式会社へ組織変更を行った場合、どこに、どのような手続きが必要か事前にリストアップされておくと良いでしょう。

全部で22の手続きがありますので、確認してみてください(会社によっては手続き内容は増減します)。

■チェックリスト

1.法務局への手続き

合同会社から株式会社に組織変更するには、法務局へ登記申請手続きを行わなければなりません。

法務局での手続きが終わらない限り、先に進むことはできませんので、一番先に行う手続きとなります。

当たり前ですが、既に合同会社として事業を行っている以上、会社の債権者(契約先や融資元の金融機関など)には同意を得る必要があります。会社の債権者には個別に組織変更することを通知し、異議があれば申し出るように求めます。つまり、債権者は合同会社が組織変更をすることに対して異議申し立てを行うことができるのです。

合同会社が組織変更するからといって債務(借金)がなくなるわけではありませんので、会社の債権者に対して行う債権者保護手続きは重要なポイントです。

債権者保護手続きを経て、組織変更の効力発生日から2週間以内に管轄の法務局へ登記申請を行います。

合同会社から株式会社への組織変更手続き書式集はこちら

会社の実印も新しく株式会社の実印にしますので、事前に印鑑も準備しておきましょう。法務局へ登記申請を行う際に改印届書を提出して、新しい印鑑で印鑑登録も行います。

( 詳しい手続きの内容はこちらをご覧ください。 → 合同会社から株式会社への組織変更手続き

2.税務署への手続き

法務局で登記が完了したら、速やかに所轄の税務署に「異動届出書」を提出します。

「異動届」とも呼ばれていて、会社名を変更した場合に行う手続きです。申請書様式は、国税庁のホームページからダウンロードできます。添付書類がありませんので、郵送やe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使ってオンラインで提出することもできます。

ただし、異動事項の内容確認のため定款等の写しが必要な場合もありますので、会社を管轄する税務署で詳細を確認してください。

[必要書類]異動届出書

3.都道府県税事務所への手続き

税務署と同様に都道府県税事務所へ「異動届出書(異動届)」を提出します。

異動届は、会社が商号など所定の変更(異動)をした場合に、都道府県税事務所に対して行う手続きです。

異動届出書の名称や様式は各都道府県によって若干異なりますので、会社を管轄する都道府県税事務所で詳細を確認してください。

様式は役所のホームページからダウンロードできるようになっているところもありますし、郵送による受付も行っているところもあります。

また多くの場合は、変更後の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を添付しなければなりませんので、登記完了後に登記簿謄本を取得しておきましょう。

[必要書類]異動届出書、履歴事項全部証明書

4.市区町村への手続き

市区町村役場には、「異動届出書(異動届)」を提出します。

異動届は、会社が商号など所定の変更(異動)をした場合に、市区町村に対して行う手続きです。

異動届出書の名称や様式は各都道府県によって若干異なります。例えば「法人等の異動届出書」と呼ばれていたりしますので、市区町村へ詳細を確認してください。

様式は役所のホームページからダウンロードできるようになっているところもありますし、郵送による受付も行っているところもあります。

例えば、東京都23区内の法人であれば、都税事務所へ異動届出書を提出するだけで済み、区役所への提出は必要ありません。

また多くの場合は、変更後の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を添付しなければなりませんので、登記完了後に登記簿謄本を取得しておきましょう。

[必要書類]異動届出書、履歴事項全部証明書

5.年金事務所への手続き

年金事務所へは、社会保険に関しての名称の変更届を提出します。

様式の名称は、「健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」といって、年金事務所のホームページからダウンロードできます。

提出期限は、変更後原則5日以内となっていますが、登記完了後の履歴事項全部証明書を添付しなければなりませんので、5日を過ぎても受付されます。

この届出を行うことによって新しい社名の健康保険証が交付されますので、旧社名の健康保険証は返還することになります。

郵送の他、e-Gov(電子申請システム)を使ってオンラインで提出することもできます。

[必要書類]健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更(訂正)届、履歴事項全部証明書

6.労働基準監督署への手続き

労働基準監督署には、労災保険に関しての名称の変更届を提出します。

「労働保険名称・所在地等変更届」は、複写式の様式であるため、ホームページからダウンロードで入手することはできず、労働基準監督署の窓口へ直接取りに出向かなければなりません。

提出期限は、変更後の翌日から10日以内となっていますが、登記完了後の履歴事項全部証明書を添付しなければなりませんので、10日を過ぎても受付されます。

郵送の他、e-Gov(電子申請システム)を使ってオンラインで提出することもできます。

[必要書類]労働保険名称・所在地等変更届、履歴事項全部証明書

7.公共職業安定所(ハローワーク)への手続き

ハローワークには、雇用保険に関しての名称の変更届を提出します。

「雇用保険事業主事業所各種変更届」は、ハローワークのホームページからダウンロードすることができます。

こちらも提出期限は、変更後の翌日から10日以内となっていますが、提出する際に「労働保険名称・所在地等変更届」の控えが必要になりますので、先に労働基準監督署に「労働保険名称・所在地等変更届」を提出した後で行う流れとなります。

郵送の他、e-Gov(電子申請システム)を使ってオンラインで提出することもできます。

[必要書類]雇用保険事業主事業所各種変更届、履歴事項全部証明書

8.従業員(社員)が住んでいる市区町村への手続き

従業員が個人で納めるべき「住民税」を会社が毎月の給与から差し引きして、従業員の代わりに市区町村へ納める「特別徴収」というものがあります。

会社が給与の天引きという形で従業員から住民税を集めて、従業員に代わって市区町村へ納付しますので、会社(給与支払者)の名称(会社名)を変更した場合は、従業員の住んでいる市区町村へ変更届を提出します。

多くの役所では、ホームページから様式をダウンロードできるようになっています。また、役所によっては、添付書類として履歴事項全部証明書が必要な場合がありますので、合わせて確認してください。

[必要書類]給与支払者(特別徴収義務者)の所在地・名称変更届出書、履歴事項全部証明書

9.銀行、ネットバンキング等金融機関への手続き

取引先金融機関に口座名義を変更するための手続きを行います。

金融機関によって若干必要な書類は異なりますが、概ね似たようなものです。基本的には金融機関の店舗窓口で手続きを行いますので、事前に窓口へ確認しておきましょう。

インターネットバンキングを利用している場合は、ネットで受付申込、用紙の記入&必要書類を郵送することになります。

尚、金融機関から融資・ローンなど預金以外の取引がある場合は、別途書類が必要となる場合がありますので、取引店舗に問い合わせてください。

[必要書類]通帳、キャッシュカード、口座の届印、履歴事項全部証明書、法人印鑑証明書、代表者の本人確認書類(身分証明書)等の金融機関指定の書類

10.日本政策金融公庫への手続き

日本政策金融公庫から融資を受けている会社も多いと思います。合同会社から株式会社に変わったのですから、変更があったことを届けなければなりません。

日本政策金融公庫のホームページから所定の「変更届」がダウンロードできるようになっていますので、必要事項を記入後、必要書類とあわせて取引窓口へ送付します。

[必要書類]変更届、履歴事項全部証明書

11.クレジットカード会社への手続き

合同会社名義でクレジットカードを発行している場合は、社名変更と引き落とし口座(銀行口座)の名義人が変わりますので、クレジットカード会社へ変更届を出しましょう。

クレジットカードには会社名が入っていないので、基本的にはそのまま使えるはずですが、クレジットカード会社によっては再発行される場合もありますので、事前に問い合わせをしましょう。

変更に必要な書類は、各クレジットカード会社のホームページやマイページから確認してください。

[必要書類]社名変更届、口座振替依頼書、履歴事項全部証明書等のクレジットカード会社指定の書類

12.不動産管理会社への手続き

オフィスを賃貸している場合は、賃借人の名義が変更になるので、不動産管理会社に連絡をして変更手続きをしてもらうように依頼しましょう。

家賃を銀行引き落としにしている場合は、引き落とし口座の名称も変更していることを伝えましょう。

基本的には、社名が変わっても履歴事項全部証明書を確認すれば同一の会社だと分かりますので、必ずしも再契約することはありませんが、覚書の締結を求められることがあります。その場合は臨機応変に対応してください。

また、再契約や覚書について費用が発生するかもしれませんので、事前に不動産管理会社へ確認しておいたほうがよいでしょう。

13.公共料金の手続き

合同会社名義で契約をしている「電話、電気、ガス、水道」などの公共料金の契約者情報を変更しなければなりません。

レンタルオフィス等であれば、月々支払う家賃や共益費の中に公共料金が含まれていることが多くありますので、その場合は手続きは必要ありません。

契約者の名義変更と支払い方法によって変更の手続きが必要ですので、各窓口のカスタマーセンターやコールセンターへ問い合わせましょう。例えば、銀行口座から毎月引き落としで料金を支払っている場合は、口座情報の変更手続きが必要になります。現金で支払っている場合は、株式会社名で請求書を発行してもらえるようにしましょう。

14.携帯・通信関連の手続き

携帯電話はもちろん、合同会社名義で契約をしている、PHS、IP電話、光回線、インターネットプロバイダへ契約者情報の変更を行いしましょう。

公共料金の変更手続きと同じく、契約者の名義変更と支払い方法によって変更の手続きが必要です。

携帯電話やPHSはショップの窓口で手続きが行えますし、カスタマーセンターから申請書類を請求できるところもあります。

必要書類は事業者ごとに異なりますので、契約先の携帯電話事業者やサービス提供事業者へ確認してください。

15.保険会社ヘの手続き

会社が福利厚生として役員や従業員を対象とした保険に加入している場合は、契約内容の変更手続きを行いましょう。

法人保険としては例えば、民間の団体保険・生命保険、自動車保険、中小企業退職金共済などがあります。

加入している保険会社の代理店や取扱店に連絡をして、契約者の名義変更についての必要書類を請求しましょう。大手の保険会社であれば、インターネットのホームページから請求書がダウンロードできるようになっています。

変更に必要な書類は加入している保険会社によって異なりますが、概ね、保険証書、履歴事項全部証明書、申請者の本人確認書類(身分証明書)が必要になります。詳細は各保険会社に確認してください。

保険料を口座引き落とししている場合は、銀行口座の名義人が変更となりますので、あわせて保険料振替口座の変更手続きが必要になります。

16.社用車(自動車)の手続き

会社名義の自動車を所有している場合は、名称変更手続きが必要です。

変更手続きは車を使用している住所(使用の本拠の位置)を管轄する運輸支局等で行います。申請書は運輸支局の窓口にあるので、車検証、履歴事項全部証明書、法人の印鑑を持参して手続きを行ってください。代表者が行かない場合は、代理人への委任状が必要です。

尚、車をローンで購入していて、所有者がリース会社・ローン会社になっている場合は、所有者からの委任状が必要ですので、リース会社等へ連絡して委任状をもらってください。他の書類が必要になるかもしれませんので、所有者が異なる場合は運輸支局へ必要書類の確認を行ってください。

車の所有者・使用者は車検証に記載されています。

また、自賠責保険の社名変更の手続きも忘れないようにしましょう。

17.許認可を受けている場合の手続き

合同会社の名称で役所から許認可を受けて事業を行っている場合は、会社名を変更したことを届けなければなりません。

例えば、建設業の許可を受けている、古物商の許可を受けている、労働者派遣事業の許可を受けている、介護事業の指定申請を受けているなどの場合です。

各役所の申請窓口に対して社名変更の手続きを行いますが、許認可の種類によって定められた様式があり、必要書類や手数料が異なります。

提出期限もありますので、予め許認可を受けた先の役所へ確認すると良いでしょう。

18.取引先関係の手続き

社名を変更することは、取引先やお客様に対して影響が大きいので、社名変更の挨拶状を送るのが一般的です。挨拶状の送付と合わせて、自社のホームページにお知らせを掲載する方法もあります。

取引先には、請求書や納品書などの社名を変更してもらったり、登録されている自社の銀行口座の名義人を変更してもらう必要がありますので、変更後すみやかに先方にお知らせしましょう。

挨拶状は社名変更後に出しますので、挨拶文にはいつから社名を変更したのかを記載します。また、必要であれば口座名義変更の依頼も合わせて案内するとよいでしょう。

専門の印刷業者へ依頼すれば、挨拶状の印刷から宛名印刷、封入、投函まで一括で行ってくれるので間違いありません。

19.契約関係の手続き

取引先と契約書を交わしている場合、基本的には社名変更に伴い契約書を締結し直したり、覚書を締結する必要はありませんが、必ず取引先には連絡しましょう。

もし契約書に会社名や代表者が変更した場合は通知すると規定している場合は、必ず通知しなければなりませんので、注意してください。

取引先との関係を考慮して、改めて契約書を締結する場面が生じることがありますが、その辺りは適宜対応すると良いでしょう。

20.自社関係の手続き

会社名を変更するのですから、自社でもやらなければならないことも多くあります。名刺や会社案内、ホームページの変更など、旧社名が載っているものはすべて新しい社名に変更します。

社名変更後にあわてて準備することがないように、事前にリストアップしておくと良いでしょう。

  • 名刺
  • 会社案内、パンフレット
  • 看板、表札、会社のロゴ
  • 封筒などの印刷物
  • 伝票(納品書、見積書、領収証、請求書等)、書類送付状
  • FAXヘッダーの社名設定
  • ホームページの修正

21.郵便局への手続き

郵便局には、会社名が変更したことの届けを行います。会社が移転したわけではありませんが、郵便局の窓口に設置されている「転居届」を代用することができます。

「転居届」には、新しい会社名を記入して「会社名の変更のみ」であることを記入します。詳細な記入方法は、郵便局の窓口で確認してください。

手続きに数日かかるため、変更日より数日前に手続きを行うと良いでしょう。

22.新会社名での印鑑作成

法務局へ登記手続きを行う際に、株式会社の新しい印鑑も作成すると思います(まれに合同会社の印鑑を継続して使用されることもありますが、あまりお勧めしません)。

株式会社の印鑑を作成する前に、近隣や同一所在地に同じような会社名(商号)が存在しないか、商号調査を行うようにしましょう。

テナントがたくさん入ったオフィスビルでは、まれに同じような会社名が存在することがあります。最近では、レンタルオフィスやバーチャルオフィスが多くあり、同じビルにたくさんの会社が存在しますので、安易に考えずに調査を行うことをお勧めします。

近隣や同一所在地に同じ会社名がないか調べてから作成しないと、二度手間になってしまいます。

会社の実印の他、銀行印、ゴム印(社判)の作成も忘れないように手配しましょう。

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