一般社団法人とNPO法人の違いをわかりやすく解説

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一般社団法人とNPO法人の違いをわかりやすく解説

一般社団法人の手続き

当記事は、一般社団法人とNPO法人の違いを正確に理解したいという方に向けて作成しています。

一般社団法人とNPO法人は非営利法人に分類されます。非営利法人とは、利益の分配をしない法人を言います。

一般社団法人とNPO法人は利益の分配をしない非営利法人という括りは同じですが、設立に必要な人数や設立手続きが大きく異なります。また、行える事業や設立後の事務鉄続きにおいても違いがあります。

それでは、さっそくそれぞれの違いについて見ていきましょう。

《関連》一般社団法人と株式会社との違い

違いその1 ~設立時と設立後の人数の違い~

一般社団法人とNPO法人を設立人数の違いから比較してみましょう。

まず一般社団法人では、設立時に必要な最低人数は2名です。

一般社団法人を設立する人を「社員」といいますが、設立時にはこの「社員」が2名以上必要です。

一般社団法人の役員である「理事」は最低1名でよく、社員と兼任できるため、最低2名いれば設立できることになります。一般社団法人設立後は社員が1名になっても継続することはできますが、死亡する等、社員が誰もいなくなった場合は一般社団法人は解散します。

一方、NPO法人では、設立時に必要な最低人数は10名です。

設立時には「社員」が10名以上必要です。そして理事3名、監事1名が必要ですが、社員と兼任できるため、最低10名いれば設立できることになります。

NPO法人では設立後も社員10名を常に維持しなければなりません。社員が10人未満になってしまうと、所轄庁から改善命令を受ける可能性があります。

違いその2 ~機関構成の違い~

一般社団法人とNPO法人を機関構成の違いから比較してみましょう。

一般社団法人で必ず置かなければならない機関は、社員総会と理事です。任意で監事や理事会を置くこともできます。理事会を置く場合は、理事3名・監事1名以上を置かなければなりません。

ただし、一般社団法人の中でも税法上の優遇が受けられる「非営利型」とする場合は、理事は必ず3名以上置く必要があります。

NPO法人では、社員総会と理事会を置かなければなりません。必ず理事会がありますので、理事3名以上、監事1名以上が必要です。

そして役員(理事・監事)には、親族規定がありますので3親等以内の親族が役員の3分の1を越えて含まれてはいけません。

例えば、役員が6名であれば、その内2名までは親族でも構いませんが、役員が4名であればその内親族は一人も含まれてはいけないことになります。

違いその3 ~事業内容の違い~

一般社団法人は事業目的や活動分野に制限はありません。公益目的でも構いませんし、公益目的でなくても構いません。

NPO法人の事業目的は、主たる目的が「特定非営利活動」であることが前提となっています。

法律に定められている特定の20分野に該当する必要があり、事業目的は「公益」ですので、収益目的の事業を行うには制約があります。

<NPO活動(特定非営利活動)20分野の主な例>

  • 保険、医療または福祉の増進を図る活動
  • 社会教育の推進を図る活動
  • 環境の保全を図る活動
  • まちづくりの推進を図る活動
  • 子どもの健全育成を図る活動

一般社団法人では会員限定の利益のために活動しても構いませんが、NPO法人では不特定多数の人の利益になる活動をするというのがポイントです。

一般社団法人とNPO法人 ~入会・入社条件の違い~

一般社団法人は、入会や入社条件を制限することができます。

同窓会であれば、その学校を卒業した人のみが入会できる等、ある一定の職業の人だけを入会対象とすることや、入社する条件や制限を付けることができます。

特定の専門団体や同業者の集まりだけで運営したり、会員制度を設けて活動したい場合などに一般社団法人はむいているといえます。

一般社団法人の社員になると、社員総会の議決権を持ちますので、一般社団法人の運営に携わることになります。この社員総会での議決権は、社員一人一個が原則ですが、社員によって異なる議決権を与えることもできます。

NPO法人の運営においては、市民参加が前提です。

入会の申し込みがあった場合、正当な理由なく断ることができず、基本的には入会を受け入れなければなりません。つまり、誰でも参加できるということです。

社員として入会すれば総会での議決権が与えられますので、法人の運営に携わることになります。NPO法人の議決権は一人一個で、変更することはできません。

違いその4 ~設立手続きの違い~

一般社団法人を設立するには、定款や設立に必要な書類を作成し、公証役場で定款認証手続きを経て、法務局へ登記申請を行うといった3段階で成立します。

行政の許可は不要で、法律の規定に則って設立できる「準則主義」によって、定款や申請書類に不備がなければ、誰でも設立することができます。スムーズにいけば2~3週間程度で設立できるでしょう。

一方、NPO法人は「認証」という方法で設立することになります。

定款など法律に定められた書類を所轄庁に提出し、設立するための所轄庁の「認証」を受けることが必要です。認証されれば、法務局へ登記申請を行うことでNPO法法人が成立します。

所轄庁は、NPO法人の主たる事務所が所在する都道府県の知事又は指定都市の長です。東京都内に事務所があれば、認証申請は東京都知事に対して行います。

所轄庁は、NPO法人を監督しますので、法令違反をした法人に対して報告を求めたり、検査や改善措置を求めたりすることができます。

所轄庁によってはNPO法人を設立する人向けに相談窓口を設けていたり、説明会や面談を行っているところもあります。また、認証書類を提出する前に事前確認を実施しているところもありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

申請先の所轄庁にもよりますが、認証が得られるには2~4ヶ月かかることがあります。

違いその5 ~設立後の違い~

一般社団法人もNPO法人も、設立後は法令や定款に則った運営が求められます。

一般社団法人は決算後は、毎年決算公告を行う必要はありますが、一般社団法人には所轄庁がありませんので、行政への報告義務はなく、事業活動についての情報を公開する必要もありません。

NPO法人は所轄庁がありますので、決算後には毎年所轄庁へ事業報告書等の所定の書類を提出する義務や情報公開義務があります。また、決算後の決算公告を行う必要もあります。

もし3年以上事業報告書等の提出を行わない場合は、所轄庁はNPO法人の認証を取り消すことができるとされています。

一般社団法人ではある程度自由に活動できますが、NPO法人では所轄庁の監督の元、適正な運営が求められます。

一般社団法人とNPO法人の違いまとめ

一般社団法人 NPO法人
所轄庁 なし 都道府県・政令市
設立に必要な人数 社員2名以上 社員10名以上
設立に必要な役員の人数 理事1名以上
非営利型は理事3名以上
理事3名以上、監事1名以上
役員の制限 なし
非営利型は親族規定あり
親族規定あり
事業の制限 なし 特定非営利活動20分野に該当すること
設立期間 2~3週間 2~4ヶ月
都道府県により異なる
設立費用 定款認証手数料 5万円
登録免許税 6万円
所轄庁への報告義務 なし あり
情報開示制度 なし あり
税制上の優遇措置 なし 非営利型は収益事業にのみ課税 有り
収益事業にのみ課税

NPO法人を設立するためには、法人の活動趣旨に賛同する人を10名以上を揃える必要があり、所轄庁の認証を得なければなりません。

認証までには最大4ヶ月かかることを考えると、事前準備から設立するまでに相当な期間を要します。

認証を得るために作成書類も膨大になるため、設立のハードルは一般社団法人よりも上がります。

設立後には毎年事業報告書等を所轄庁へ提出するなど多くの事務作業が発生しますが、所轄庁の監督を受けることは、反面、社会的信用を得やすいといえるでしょう。

一般社団法人は、最低2名いれば設立することができ、設立期間も比較的短期間で済みます。

一般社団法人には所轄庁が存在しません(監督を受けません)ので、設立の難易度や設立後の事務作業はNPO法人と比べると大きく緩和されています。

活動範囲やメンバーを限定せず、自由で縛りがない事業を行いたいのであれば、一般社団法人がむいているといえるでしょう。

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