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当ページでは、特例有限会社から株式会社への組織変更(正式には「商号変更による解散及び設立登記」)手続きの概要を解説しております。
そもそも特例有限会社ってなに?特例有限会社のままでいることのメリット・デメリットなどをお調べになりたい方は、当ホームページ内のこちら記事をご覧ください。→「特例有限会社の概要とあらまし」
▼ 目次
特例有限会社が通常の株式会社に移行するためには、
2つの手続が必要となります。
まず、「○○有限会社または有限会社○○」から「○○株式会社または株式会社○○」に商号を変更する定款変更手続を行います。特例有限会社は、法律上はすでに株式会社として扱われているので、定款変更の決議は「株主総会」で行われます。
取締役が1人の特例有限会社はその取締役が株主総会の招集を決定し、取締役が2人以上いる場合は、取締役の過半数で株主総会の決定をします。
原則として、株主総会の開催日の1週間前までに、株主総会の招集を通知します。また、定款の変更には株主総会の特別決議(総株主の半数以上であって、当該株主の議決権の4分の3以上の多数で行われる決議)が必要です。
株式会社に商号を変更する定款変更が終了すれば、次は、法律で定められた期間内(本店所在地では2週間以内、支店所在地では3週間以内)に特例有限会社の解散登記と株式会社の設立登記を申請します。なお、解散登記と設立登記は同時に行います。
※「解散登記」とは、実際に有限会社が解散して消滅するわけではなく、移行後の株式会社にそのまま権利義務関係が引き継がれます。
登記申請にあたっては、
合計6万円の登録免許税を納めなければなりません。
※資本金2000万円を超えると、6万円を超える登録免許税がかかります。
STEP1 | 定款案の作成 |
---|---|
STEP2 | 取締役が株主総会招集を決定 |
STEP3 | 株主総会を招集 |
STEP4 | 株主総会で定款変更を決議 |
STEP5 | 登記申請(解散と設立を同時に) |
特例有限会社から、通常の株式会社に移行すること自体は、商号の変更→登記(特例有限会社の解散登記+株式会社設立登記)だけで行うことができますが、移行後の株式会社をどうのような仕組み(機関設計や株式譲渡制限の有無など)によって、さらに手続が必要になります。
たとえば、機関の構成をどうするかによって、改めて定款変更が必要になる場合もありますし、取締役会設置の有無、取締役の人数はどうするのか、代表取締役は選定するのか、監査役設置の有無など、移行後の株式会社について、慎重に検討する必要があります。
取締役会を設置する場合は取締役が3人以上必要になります。
特例有限会社に取締役が3人以上いない場合には、通常の株式会社に移行後にさらに取締役を3人以上に増員する定款変更が必要になり、また、代表取締役の選定、監査役の選任も必須になりますので、これらの変更について、あらたに登記申請をしなければなりません。
なお、取締役会や監査役・代表取締役の設置を任意に選択できるのは、非公開会社(株式譲渡制限株式会社→全ての株式について譲渡制限がなされている会社)に限られていますので、株式の譲渡制限を設けるか否かについても、同時に検討する必要があります。
株式会社へ移行するとはどういったものですか?
有限会社は、平成18年の会社法改正後、設立することができなくなりました。
それまで有限会社としてあった会社は、会社法の特例として従前の有限会社に類似した制度を維持したまま「特例有限会社」として存続しています。
会社名もそのまま継続できますので、「特例有限会社」と名乗ることはありません。
また、特例有限会社の存続期限はありませんので、法律に改正がなければいつまでも有限会社として継続することもできますが、特例有限会社は、会社法上は株式会社の一つの形態として扱われますので、株式会社へ商号を変更することで、いつでも株式会社へ移行することができます。
『有限会社から株式会社への組織変更』と呼ばれたりしますが、厳密には組織変更ではありません。
株主総会で定款を変更して株式会社とすることの決議を行い、法務局へ株式会社の設立登記と特例有限会社の解散登記を同時に行うことで、株式会社へ移行することができます。
特例有限会社だけに適用されていることはありますか?
特例有限会社は、会社法上は株式会社の一つの形態として扱われていますが、特例により株式会社とは異なる扱いがされています。
特に異なるのは役員の任期に制限がないことです。株式会社では最長で10年まで伸ばすことができますが、有限会社では任期自体ありません。
株式会社では役員任期を終えると、その都度変更登記をしなくてはなりませんが、特例有限会社では極端に言えば、一生役員であり続けることができます。
有限会社には「みなし解散」制度も適用されませんので、株式会社のように一定期間何の登記申請も行われていないと解散されるという心配もありません。
また、株式会社では毎年決算公告を官報等に公告しなければいけませんが、特例有限会社は決算公告が義務付けられていませんので、事務手続きが簡素になり、コストを抑えることもできます。
有限会社であり続けることにデメリットはありますか
有限会社の株主は、株主間であれば株式を自由に譲渡することができます。
株主にとっては会社に承諾なく、譲渡できますので大変便利な規定ですが、会社側からすると、会社が意図せず、株主の持分比率が変わってしまうことがあります。
株主間で自由に譲渡されることは株式の保有率や議決権が変動しやすく、譲渡の都度きちんと管理しておかなければ株主が誰なのか、不明確になってしまう恐れがあります。
たとえ株主が少数で把握できると思っていても、譲渡方法を明確にしておかなければ、後々トラブルに発展する可能性があります。
一方、株式会社では全ての株式に譲渡制限を付けることができますので、たとえ株主間であっても会社の承認なしでは譲渡できないようにすることができます。
株式会社へ移行する際に商号を新しくすることはできますか?
株式会社へ移行するには、株主総会で有限会社から株式会社へ商号変更をすることの決議を行いますので、まったく新しい商号にすることができます。
もちろん「有限会社モヨリック」から「株式会社モヨリック」というように、有限会社の部分のみ株式会社とすることも可能ですので、会社の実情に合わせて決めると良いでしょう。
『有限会社から株式会社への組織変更』と呼ばれたりしますが、手続き上は有限会社を解散して、新しい株式会社を設立することになりますので、商号も自由に決めることができるのです。
株式会社へ変更するのと同時に変更できることは?
商号を変更したり、取締役を変更したりする以外にも、同時に下記事項について変更することができます。
これらの変更は移行する時にまとめて変更すれば、別途登録免許税はかかりません。(増資については、増資する資本金に対する登録免許税が3万円で収まる場合のみ)。
株式会社へ変更するのと同時に変更できないことは?
本店移転は同時に行うことができません。ただし、同一管内の法務局へ移転する場合は、一括申請はできませんが、本店移転と商号変更による株式会社の設立、特例有限会社の解散の3件を同時に申請(連件申請)することは可能です。
法務局の管轄が変わる移転は、有限会社の時に本店移転をするか、 もしくは株式会社へ移行してから本店移転をするかのどちらかで手続きを行うことになります。
その他、支店の設置及び廃止の登記は同時に行うことはできません。
当キットは、特例有限会社から株式会社への組織変更手続きに必要な書類一式の雛型を同梱しております。
穴埋め式ワードファイルと解説マニュアルがついていますので、一般の方でも楽々手続き完了!とにかく、安く、簡単に手続きを終えたいという方は是非ご活用ください。
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