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資本準備金とは、会社に多大な損失が発生した場合等の不測の事態に備えて、会社で予め積み立てておく資金を言います(会社法第445条)。
会社設立の際や増資の際に株主から出資されたお金は原則すべて「資本金」として計上されますが、2分の1を超えない額を「資本準備金」とすることができます。
この資本準備金の額を減少して資本金の額を増加することができます。
これを「資本準備金の資本組入れ」と言います。
あくまでも貸借対照表上の資本金額の変更であり、株主から資金を調達しないで行える増資方法の一つで「無償増資」とも呼ばれています。
<貸借対照表>
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<資本組入れ後の貸借対照表>
実際にお金のやり取りがないため、株主総会において、資本準備金を資本金に組入れると決めた日が効力発生日、資本金を増やした日になります。
言わずもがな、そもそも会社に資本準備金がなければ、資本金には組入れることができません。ですので、最新の貸借対照表の「資本準備金」の額を確認してください。
資本準備金の「全部」を資本金に組入れる場合は、株主総会の決議だけで手続きを行うことができますが、資本準備金の「一部」だけを資本金に組入れる場合には、株主総会の決議と債権者保護手続きが必要です。
債権者保護手続きは、官報で「準備金の額の減少公告」と「債権者への個別催告」が必要です。準備金の額の減少公告は、効力発生日より1ヶ月前に行わなければなりませんので、注意してください。
株主総会においては、「減少する準備金の額」「減少する準備金の額の全部または一部を資本金とするときはその旨及び資本金とする額」「効力発生日」を決議します。
その後、法務局へ資本金額変更の登記申請を行う流れになります。
法務局への添付書類は、株主総会議事録と代表者が作成した準備金の額に関する証明書です。貸借対照表や準備金の減少公告を行っても官報を添付する必要はありません。
登録免許税は増加する資本金額額に1000分の7を乗じた額で最低3万円です。
また、資本金額が変わりますので、法務局の登記完了後に税務署、都道府県税事務所、市区町村役場へ資本金額変更の届け出を行う必要があります。
※資本準備金と似て非なる「利益剰余金」というものもあり、こちらも資本金への組入が可能ですので参考にしてください(利益剰余金の資本組入れとは?)
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