小さな会社の社長の戦い方【書評】

こちらのページ（起業を考えたら必ず読む本）でもご紹介している井上達也さんの書籍です。

非常に良い本でしたので、引き続き、著者の別の本を読んでみました。

良いです。

「起業を考えたら必ず読む本」が起業家向けであるならば、こちらはその続編と言っても良いかと思います。私自身も小さいながらもスタッフ４名の事務所を経営しておりますので、非常に参考になるところが多かったです。

著者の本はどれも「机上の空論」が一切ありません。コンサルや我々士業のような専門家でもありません。生身の社長さんです。ですから、言ってることにも説得力がありますし、うんうんそうなんだよなーとイチイチ頷きながら読めてしまいます。

付箋も結構貼りました。

起業したら最初は何もかも一人でやらなければなりません。雑務は当然、集客、販売、マーケティング、会計、財務。全て自分一人でこなさなければなりません。非常に忙しくなります。

寝る暇もなくなるかもしれません。それでもなんとかやっていかなければなりませんし、やるしかないのですが、その状況をずっと続けていく訳にもいきません。

起業家がやるべきことと、社長がやるべきことはまた違うのです。役割が異なります。起業家も自分、社長も自分。一人二役です。事業を大きくしていくタイミングで、起業家から社長に転身しなければなりません。

社長は起業した事業を推進、変化させていかなければなりません。新しい仕事を生み出さなければなりません。人も雇って事業拡大もしていかなければなりません。

起業家から社長へと変わらなければならないタイミングのその前に、この本を読んでおかれると非常に効果があるのではないかと思います。

目先の売上に気を取られて、大局的な視野を持てなくなってしまうことほど、恐いことはありません。

著者もこのように仰ってます。その通りだと思います。

この考え方、非常に大事です。まさに小さな会社の社長がやるべきことです。

社長が日々の業務に忙殺されていてはなりません。社長の仕事は、３年後、５年後に売れる商品・ビジネスを作ることなのです。

今はお金にならなくても、です。他社と同じことをしていてもジリ貧になるだけです。資本力のある大企業が本気で攻めてきたら、あっという間に吹き飛ばされてしまいます。小さな会社だからこそ、独自の強み・商品を作っていく必要があります。

また、マーケティングについても独自の解釈をされています。

そうです。「どんなものでもたくさん売る技術」を身に付けたところですぐに他にマネされてしまい、その手法はすぐに陳腐化します。

著者の仰るように、「まだ知られていない、よいものを作る」ことさえできれば、マーケティングなんてのはテクニックだけの話です。ある程度勉強すれば誰でもできます。

「いやいや、まだ知られていない、よいものを作るのが大変なんじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、それはその通りです。

多大な努力が必要になります。時間も掛かるでしょう。努力して時間とお金を掛けても失敗するかもしれません。ですが、その努力を社長がしなくなったとき、その会社は緩やかに衰退していきます。終わりの始まりです。

会社を大きくしていく局面でのマネジメント、社員教育、社員との接し方なども内容は濃かったです。

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