【電話受付時間】AM10:00~PM6:00(平日)
【目次(もくじ)】
株式会社の解散・清算手続きに必要な書類一式の雛型を同梱しております。官報公告にも完全対応。
穴埋め式ワードファイルと解説マニュアルがついていますので、一般の方でも楽々手続き完了。
株式会社の解散登記手続を安く、早く、確実に終えたいという方にオススメの書式集。
着物販売・レンタル業者の「はれのひ」が2018年1月の成人式に突然営業を停止したことは記憶に新しいでしょう。
先日計画倒産した旅行会社の「てるみくらぶ」を想起させるという声も上がっています。
この2社だけでなくこうした問題は過去にもたくさんありました。事業が立ちいかなくなることがわかっているのになぜギリギリまで事業を続けるのか、どうして過去の過ちから学べないのか、などと思ってしまいますが、こうした企業に共通する特徴として、事前に顧客から前受け金を集めているということが挙げられます。
てるみくらぶのような旅行会社では、旅行に先立って代金を受け取ります。はれのひも何年の前から予約金を受け取っていました。
事前に回数券を販売するエステでも同じような問題が起こったことがありました。
もちろん顧客から受け取った前受け金に手を付けてはいけないのが原則ですが、事業が苦しくなるとそれを設備投資などに運用する会社は多いです。
前受け金を使ってしまっても、ちゃんとサービスを提供できるのならいいのですが、サービスの提供には固定費や人件費も必要です。
そのため、必要な費用を捻出するために会社はさらに前受け金を集めざるを得ず、サービスの提供を後から行うという悪循環に陥るケースがしばしば見られるのです。
最初から顧客をだますつもりの計画倒産は悪質な犯罪ですが、前払い制でサービスを提供する会社には自転車操業でなんとか回しているところもけっこう多く、悪意はなかったが倒産せざるを得ないという状況が起こってしまうのです。
先ごろ問題になっているのが人手不足による倒産の増加です。
帝国データバンクによると、2017年の人手不足が原因の倒産件数は2013年の2.9倍に増加したと言います。
倒産件数の全体から見た割合では人手不足による倒産はまだ少ないですが、倒産する会社の業種に変化が見られており、人手不足の影響は各方面に拡大していることが懸念されています。
従来、人手不足倒産の割合が高い業種として、介護やIT関連事業が挙げられましたが、今では特別な資格やスキルを必要としない業種にも人手不足倒産の問題が迫っています。
その一つが運輸業界です。運輸業といえば車の運転が必須ですが、最近の若い世代には車の免許を持つ人が少なくなっています。
ましてや大型トラック免許を持つ若い人など非常に少ないです。そのため、構造的にどうしても人材が不足してしまうのです。
日本商工会議所の調査によると、人手不足の影響を感じる企業は全体の約7割にも上ります。
具体的には、売り上げの維持が困難、従業員の労働時間の増加、業務やサービスの質の低下などが回答の上位を占めました。
これを打開するには、採用活動を拡大したり、既存従業員の離職防止と人材獲得のために労働条件を改善したりといったことが考えられますが、改善の見込みが付きにくいのが現状です。
今後はさらに人手不足の問題が深刻化し、これまで問題がなかった業種にも及んでくると考えられます。
人手不足による倒産ともリンクしますが、近年は後継者不足による倒産・廃業も大きな問題です。
2017年版の中小企業白書によると、2016年、中小企業の休廃業と解散件数は過去最高を記録したそうです。
この要因は、ひとえに経営者の高齢化と後継者の不足と考えられます。同白書によると、中小企業の経営者の年齢分布は、ここ20年の間に最頻値が47歳から66歳へと時間の経過そのままに進行しています。
つまり、この20年で中小企業の経営者の顔触れは変化していないということです。
休廃業、または解散した企業に絞ると、60~80代の経営者の割合が最も高くなっており、実際、経営者が高齢になったために会社を畳まざるを得ないというところが増えています。
今後数年でこの動きは一層加速すると予想されます。
中小企業の経営者が高齢化するのは、事業を承継する後継者が不足しているからです。
事業の承継には周到な準備を要しますが、後継者が決まらないために準備が進まず、結果として休廃業・解散・倒産という道を辿るしかないという企業が増えています。
事業承継には以下に説明するようなハードルがあります。
現経営者から次の経営者に事業を承継するには周到な準備を要しますが、後継者の絶対数がそもそも減少しており、そのなかでさまざまなハードルをクリアできる人材となると、後継者の決定は困難を極めるのです。
まず、経営者には資質が必要です。
特に中小企業の経営者には、経営のみならず、管理、生産、財務、営業などさまざまな領域に通じていなければならず、その能力が不足しているとリーダーシップを発揮することも不可能です。
そのため、後継者の現状の資質によっては事業承継の準備期間をかなり必要とします。
また、後継者のなり手が不足する原因として、経営者は、事業資金として借りた銀行からの借入金を個人保証しなければならないことが挙げられます。
事業資金となる金額を個人が責任を持つのは負担が非常に大きく、そのため、経営者の子息であっても後継者になりたがらないという人が増えているのです。
また、会社の株式を引き継ぐ際に生じる相続税も多額になるので、子息でない従業員が後継者となるには多額の資金を負担しなくてはなりません。
これも後継者のなり手を不足させる要因です。
後継者が決まらなければ事業の承継もできません。
事業承継できなければ休廃業や解散ということになり、市場から退場することになります。
となると、社会全体の生産性も低下してしまいます。
日本の企業の99%は中小企業ですから、中小企業の休廃業・解散・倒産は日本経済に直接的に悪影響を及ぼすのです。
(参考)
休眠も廃業も事業を停止する点では同じですが、休眠と廃業にはその性質や手続きに異なる点があります。
決定的な違いとしては、会社が存続するか消滅してしまうかの違いです。
休眠した会社は、休眠の期間中は営業活動を行うことはできませんが、その期間を過ぎれば再開が可能です。
一方、廃業した会社は、解散して清算手続きを行い完全に消滅してしまいます。
廃業は会社を解散させる行為ですので、債務や債券の整理、もしくは破産手続きなどが必要です。
また、法務局に解散登記なども行わなければなりません。休眠より手続きが煩雑になると考えてよいでしょう。
それに、その過程で法務局や税理士・司法書士に支払う費用も発生します。メリットとしては、廃業してしまえばその後は一切手続きが不要なことが挙げられます。
休眠では、廃業のように登記の手続きが必要ありません。自治体や税務署に休業届を出すだけでよいため、廃業より手続きが簡単で手数料も必要ないのがメリットです。
一方、デメリットとしては、休眠期間中でも会社が存続しているので税務申告が毎期必要になります。
また、地方税が課されるケースもあります。さらに、役員に変更があれば登記変更の必要が発生するなど、休眠後にもさまざまな手続きを必要とします。
最後に登記してから12年間登記を行わない場合には「みなし解散」となることにも注意が必要です。ただ、将来的に事業を再開させたいのであれば休眠を選択する方がメリットが大きいでしょう。
自分の意思で会社をたたむと決めても、決めた途端に会社がなくなるわけではありません。
廃業を決めてから、そのための清算の作業が始まります。
ただ、会社を廃業するとして、その時期をいつにするかの判断はなかなか難しい問題です。
大半の人はなるべくなら廃業を避けたいので、判断が後手後手になり勝ちですが、判断が遅れるほど不利益が大きくなってしまいます。
判断が早ければ、その後の手続きにも時間的な余裕が生まれるので、節税になったり手元に残る資金が増えたりという可能性が生まれます。
ただ、早めの判断というだけでは基準が曖昧なので、経営者としては明確にルールを作っておくことが大切です。
たとえば、「借金が3,000万円を超えるなら廃業」、「赤字が2期連続すれば廃業」「70歳で廃業」という具合です。
また、廃業した時の清算価値をシミュレーションしておくことも大切です。会社をたたんだ時にいくらの資産(もしくは借金)が残るかを把握しておかなければなりません。
貸借対照表を見て資産から負債を引くとおおよその数字が見えるはずです。
現実と貸借対照表では数字が合わないこともあるので、資産を評価しなおしたり、決算書にない負債を計上したりといった調整も必要です。
「廃業できるならしたいけれど、廃業すると借金が払えなくなる」というにっちもさっちもいかないケースは多いです。
廃業して清算したくても、資金不足で債務が残る場合があります。ただ、会社の残った借金を社長がすべて肩代わりしなければいけないというケースばかりではありません。
会社と個人は本来別人格ですので、社長個人の資産で会社の借金を支払わなければいけないという義務はないのです。
ただ、銀行からお金を借りて社長が連帯保証人となっているケースでは、責任を負う必要があります。ちなみに個人事業の場合も、事業主と事業が同一なので事業の負債の責任は個人が負う必要があります。
返済できる限りは返済したけれど、それでも銀行からの借入は残るという場合を考えます。
会社をたたんでしまったのであれば、営業もしていないし資産も返済にすべて回してしまったので、今後の支払い能力はありません。
あとは、個人保証に基づいた方法で社長個人に請求されます。ここで2つの可能性が考えられます。
一つは、残った借金を破産等で法的に処理する方法です。もう一つが、銀行と交渉し、分割での返済などの道を探ることです。
ただし、後者では借金が残ってしまいます。完全にすっきりさせるならば法的な処理しか方法がありません。自己破産などです。
さまざまな不都合は出ますが、債務自体はすっきりできます。自己破産を検討するならば弁護士に相談してみましょう。
自主的に会社を解散するには、株主総会での特別決議を経なければなりません。
それで解散が決まれば、続いて清算手続きに入ります。そのため、解散の際には清算人の選任が必要です。
さらに、解散日の2週間以内に法務局にて解散と清算人選任の登記を行わなければなりません。解散登記が完了となれば、会社は清算のみを行う目的で存続する清算会社になります。
清算手続きは、清算人がまず会社の財産を調査し、貸借対照表と財産目録を作成して株主総会で承認してもらいます。次に、会社の債権者に対し、清算人は2カ月以内に債権を申し出るという旨を官報に公告します。
把握できている債権者には個別に催告します。また、借入や買掛金など会社の債務があればすべて返済し、残った財産は株主に分配する手続きを行います。
上の手続きが済んだら、清算人は決算報告書を作り、株主総会で承認を得ます。
ここまで終わったら清算結了です。
清算結了後は2週間以内に法務局にその登記を申請しなければなりません。清算結了の登記が完了すると、会社の登記簿が閉鎖されて会社は消滅することになります。
清算結了の登記には以下の書類が必要です。まず、定められた書式の株式会社清算結了登記申請書を用意します。
また、決算報告を行った株主総会の議事録と、その際の決算報告書も添付しなければなりません。
なお、決算報告書には、債権の取り立てや資金の処分などで得た収入の金額、債務の弁済や清算における費用の金額、残余財産の金額の記載と、株主リストの添付が決められています。
あと、清算結了の登記を司法書士など代理人に委任する場合は、委任状も登記申請書に添付しなければなりません。
なお、清算結了登記にも費用がかかります。
まず、登録免許税として2,000円が必要です。支店があるケースでは、支店所在地の法務局にても支店1カ所につき2千円の登録免許税と、1カ所につき300円の登記手数料がかかります。あと、司法書士などに登記を委任する場合は、その報酬も当然必要です。
会社が解散しても、清算結了登記が完了しないと会社は完全に消滅しません。
会社が存在する間は、法人税や法人住民税などの税金がかかります。ですので、解散後はなるべく円滑に手続きをして清算結了登記を申請することが大切です。
「解散」と「清算」とはなんですか?
解散手続きには、段階があります。会社で解散が決まると、まずは「解散登記」を行います。
会社が解散すると、その会社の営業活動が終了し、取締役等の機関も停止します。かと言って、会社には通常、営業相手や債権者等が存在し、解散したからと寸断されては被害やトラブルが起きてしまいます。
そこで、会社の清算を行う「清算人」を決定し、その清算人が清算事務を執り行うこととなります。
清算事務が終われば「清算結了登記」を行い、この登記が完了すれば会社は閉鎖され消滅します。
「解散登記」だけを行い、その後放置したままで「清算結了登記」を行わなければ、会社自体は存続していることになるので、毎年の法人税が発生してしまいます。
すぐに解散することはできますか?
解散が決まれば、解散登記を行うとともに、債権者等に広くお知らせをしなくてはなりません。
この知らせる方法として、「官報」というものに公告を掲載します。会社の解散公告は、最低2ヶ月間と決まっていますので、最短でも2ヶ月は会社の解散に日数を要すことになります。
また、会社はあるものの実際の稼働は全然しておらず、債権者なんていないという会社でも、官報公告は必ず行わなくてはなりません。
費用はどれぐらいかかりますか?
登記申請時に必要な登録免許税は、解散登記申請に3万円・清算人を決定する旨の申請に9,000円・清算結了登記申請に2,000円と、合計41,000円が法定されている費用です。
その他に、官報に公告を掲載する費用として約35,000円が実費でかかりますので、合計で約76,000円となります。そこに、書類の作成や登記の代行等、専門家を介せば手数料が加わります。
解散すると、事業年度はどう計算すればいいですか?
会社を解散させて解散登記を申請すれば、ここで一旦決算を迎えることになります。
通常決算申告と同じように、「解散確定申告」を提出します。そこから新しい事業年度が始まることになります。清算事務を経て、清算結了登記を申請します。
例えば、毎年4月1日~3月31日までが事業年度の会社が8月31日に解散したとします。
この場合、4月1日~8月31日で1期が終了となり、この時点で解散確定申告をします。そこから9月1日から清算事務に入り、最短2ヶ月間を経て清算結了を11月5日に迎えたとします。
この場合は、9月1日~11月5日でまた1期終了となり、この時点で清算確定申告書を行います。
解散をしたときに法務局以外への必要な届け出は?
解散届の提出先は、次のとおりです。
税務署へは、解散後2ヶ月以内に解散確定申告を提出しなくてはなりません。
Copyright (C) 2019 行政書士法人MOYORIC(モヨリック) All Rights Reserved.
掲載コンテンツ・イメージの転写・複製等はご遠慮下さい。