属人的株式と種類株式の違いとは?

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属人的株式と種類株式の違いとは?

(1)属人的株式とは

株式の譲渡制限が付いている「非公開会社」においては、下記の3つの権利に関して株主ごとに異なる取扱いができる株式を発行することができます。

  1. 剰余金の配当を受ける権利
  2. 残余財産の分配を受ける権利
  3. 株主総会における議決権

この株式を「属人的株式」と言います。

株主ごとに異なる取扱いができますので、例えば株主Aさんが持ってる株式については1株10個の議決権を与える、株主Bさんの持っている株式については1株1個の議決権しか与えないということもできます。

本来、株主平等の原則のもと、株主は保有する株式数・内容に応じて、平等に権利を持つとされていますが、「属人的株式」を発行することにより、株主に応じて権利の異なる取扱いをすることができます。

(2)種類株式とは

通常、株式会社が発行している株式は普通株式と呼ばれているもので、株主は保有する株式数・内容に応じて、平等に権利を持ちます。

この普通株式に対して、株式の内容について権利の異なる株式を発行することができます。

この株式を「種類株式」と言います。

例えば、剰余金の配当が優先されている株式、残余財産の分配が優先されている株式、株主総会における議決権が制限されている株式などがあります。

種類株式には9種類あり、組み合わせは自由に発行できます。

  • 剰余金配当優先・劣後株式
  • 残余財産分配優先・劣後株式
  • 議決権制限株式
  • 譲渡制限株式
  • 取得請求権付株式
  • 取得条項付株式
  • 全部取得条項付種類株式
  • 拒否権付株式
  • 役員選任・解任権付株式(委員会設置会社及び公開会社は発行不可)

(3)属人的株式と種類株式の違い

属人的株式は、株主ごとに株式の権利を変えることができるのに対して、種類株式は同じ種類の株式においては株主は同様の取扱いを受けます。

属人的株式は「株主」に、種類株式は「株式」に対して着目した株式ということです。

種類株式は一部を除いて公開会社、非公開会社どちらでも導入できますが、属人的株式は非公開会社しか導入できません。

また、種類株式を発行するには、法務局へ登記をする必要がありますが、属人的株式を発行しても登記をする必要がありません。

登記されないので、第三者に知られることもなく、登録免許税もかかりませんので、種類株式よりも導入しやすいという側面があります。

特定の株主に対して、他の株主より優遇したいのであれば、属人的株式を活用すれば柔軟に発行することできます。

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